ページ6

                          「招かれざる客」




朝の街は、会社に行く大人達で賑わっている。

「こーゆー人ゴミって嫌いなんだよな・・・。」

と愚痴りながらレストランへ向かった。そして、レストランに向かう道中の事。

「キャーーーー!!可愛いーvvこの子、シャドチャね?どうやって育てたの??」

「いいなーシャドチャ。可愛いー!!」

年齢は俺と同じ位だろうか。まあ16、7だろう。

「ああ・・・ど・・どうも。」

俺はいきなりの事に驚き、まともな返事を返せなかった。
・・・・にしても、シャドチャって??

そんなこんなで、やっとレストランに到着。席には既に友人が座っていた。

「よ、チャオの調子はどうだ?」

「やっと進化したんだけどさ。俺のチャオ、かなり黒くなったんだよな・・・。」

友人がチャオのことを聞いてきたので、俺は友人にチャオを見せた。

「!!!!・・・それ、シャドチャ!!?」

「へ??」

なんでそんなに驚くんだかな・・・。

「いいなーシャドチャ。シャドチャって珍しいんだぜ。どうやって育てたんだ??」

「偶然。」

即答。こいつといい、さっきの人といい・・・シャドチャって何なんだ??

「へえ、お前らしいな。でも、いいなー・・・。」

「そーいや、お前のチャオはどうなったんだよ??進化したんだろ?」

同じ事を何回も聞いて、何か疲れてきたので、こいつのチャオを見てさっさと帰ろう・・・と思った。・・・が。

「♪♪♪♪♪」

突然俺のケータイが鳴り始めた。

「誰だろ」

俺がそれに気付き、ケータイを取ろうとした瞬間。

「ピッ」

「あ゛」

・・・・・・・・・。
なんと、チャオがケータイの電源を切ってしまった。
チャオに悪気は無さそうだが・・・。(大体チャオは電源ボタンなんて知らないだろうし。)
どうやらこいつ、ケータイの音に驚いてボタンを押してしまったらしい。

「・・・・はは」

チャオが、何かいかにも『生き物』らしいリアクションをするので思わず笑ってしまった。

チャオって・・・・・・

可愛い。

外見とかだけじゃなく、その行動までも。


「??どーしたんだ?お前が笑うなんて珍しいな。」

・・!ボーっとしていた俺は、友人の声で我に返った。

「え?そうか・・・?いや、別に大した事じゃないさ。で、お前のチャオは?」

「そうそう・・・。えっと、こいつ。なかなか可愛いだろ?」

俺が改めて質問すると、友人はチャオをテーブルの上に上げた。

「へえ、いいじゃん。それは何ていうチャオ?」

「ノーマルチャオ・・・ってとこだな。属性ニュートラル、タイプはノーマル。」

「へーーえ。」

ニュートラルだか何だかは理解できなかったが、要はノーマル・・・普通のチャオって事だろう。
その『普通のチャオ』ってのがどんなのかは知らないが、何となく納得した。

「あー・・・後、1つ聞きたいんだけどさ、シャドチャって何だ??」

「・・・お前の無知さには呆れたよ。・・・シャドチャってのは、属性ダーク、タイプはハシリのチャオの事を言うんだ。
シャドチャは、あるゲームのキャラクター『シャドウ』って奴に似てるって事で、巷では『シャドチャ』って呼ばれてんだよ。」

「へー・・・有難う。・・・そうだ。折角レストラン来たんだし、何かおごるよ。情報料って事で。」

最近食欲が無かったが、今日は珍しく何か喉を通りそうだった。

「え!?マジ?やった!」

友人は、言うが早いか早速チャオに木の実、その他料理を次々と注文する。2匹のチャオも嬉しそうだ。
・・・何故か、今日は来てよかったと思えた。

でも、あの電話は何だったんだ?・・・まあいいか。
                              ・                            ・                            

そして家に帰り、休日を俺とチャオで過ごした。

一緒にテレビを観たり、本を読んだり・・・。チャオに絵を描く事を教えたりもした。

「これがクレヨン。これで紙に絵を描くんだ。」

「♪♪~♪」

俺が教えると、チャオは紙に絵を描き始めた。
花・・・のような物をしばらく描くと、それを俺に渡してきた。どうやらこの絵を俺にくれるらしい。

「お、有難う。」

俺はチャオを撫でてやる・・・・なんて良い休日だろう。
このままこの生活がずっと続くと良い・・・俺ははだんだんそう思う様になってきた。

このページについて
掲載号
週刊チャオ第7号
ページ番号
6 / 9
この作品について
タイトル
俺とチャオ
作者
グラフカオス(グラフ)
初回掲載
祝!復刊!週刊チャオ第1号
最終掲載
週刊チャオ第8号
連載期間
約1ヵ月19日