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「あれ?ここは?」
目覚めたら、寝慣れないベッドの上。痛む体。なんで痛むんだろう?そう思って体を見ると、包帯が巻かれているんだ。辺りを見回すと明らかに病院。僕は何をしたんだ?確か、昨日、チャオが八匹全員いるのを確認して…あぁ、そう、そのうち一匹がかなり弱ってたな。寿命かな?かなり生きてたし。そんで、自分の家のベッドで寝たら、包帯巻かれてミイラみたいな格好で病院のベッドで起きた。どういうわけ?寝ている間に強盗がきて、無差別に斬りつけられたけど生きてたとか?と、そこで人が入ってきた。お母さんと、先生だ。

「いや~~。まさか火の中に飛びこむとは思ってもなかったな~。先生、お前を見返したぞ~。あ、そうそう。チャオは七匹は弱ってたけど生きているから安心しろよな」
「え?火の中に飛びこんだ?どういうわけですか?あ、今日の終業式、これじゃあ出られないや」
「何言ってるの?今日から夏休みですよ?」
「おそらく、軽い記憶喪失でしょう。そういうことってよくあるらしいですよ~」
「あれ?そういえば七匹ってどういうわけです?うちには八匹いたはずですけど」
俺の飼い主は言った。おそらく、皆は記憶喪失だと思うだろうし、本人も記憶喪失をしたんだ。と思うだろう。とにかく、人間として生きられて面白かったな。俺の意識は俺の飼い主の意識がまだボ~ッとしているからあるけど、もうすぐ無くなって、本当に俺は死を迎える。その後どうなるかなんて知ったこっちゃ無い。そういうわけで、俺の一日人間体験記をこうやって俺の中でまとめられて良かった。今思えば、火の中に入って正解だったのかな。さっき言ったとおり、俺には空耳かどうか考えている暇なんかなかったんだ。そもそも、空耳とか考えてなかったしな。こうやって思い返すと、夢のような一日だったな。

残念なこと?灰色のマユに包まれないことかな。

このページについて
掲載号
週刊チャオ第131号
ページ番号
5 / 5
この作品について
タイトル
「俺の一日人間体験記」
作者
スマッシュ
初回掲載
週刊チャオ第131号