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「俺の一日人間体験記」
~注意書き~
これは、とあるチャオが大量生息している架空の国での出来事です。なので、日本ではありえないことがありますが気にせずに。
俺はいたって普通のダークチャオだ。っと、いきなりだが俺はチャオにしては随分長く生きてきた。俺の経験上、もうすぐ俺は寿命を迎える。はずだった。
しかし、俺はとんでもない経験をすることになるのだった……
朝になり、俺は目を覚ます。この時に俺は既に感づいていた。今日で俺は死ぬのだと。だが、このことがわかるのも俺だけだろう。自分の体は一番自分が良くわかるというじゃないか。
っと、俺の飼い主が来た。パジャマ姿に寝癖でボサボサになっている髪。言うまでもなく起きた直後である。いつもなら、髪もある程度整っており、パジャマ姿ではないのだが、おそらく寝坊をしたのだろう。フラフラしながら木のところにたどり着き、木を揺らして木の実を落とす。そして、それを俺達に配る。そして、忙しそうに走ってガーデンから出て行った。
さぁ、俺の寿命が来るのはいつだろうか。昼か?夜か?そう考えている間にも体は少しずつ寿命を感じさせるような不思議な感覚に襲われる。そして、その感覚は段々激しくなっていく。
そして、夜になり、飼い主が来て、何時間かして帰っていった。だが、俺の体は未だにマユに包まれない。このまま朝になるのだろうか?だが、この体の異常さから考えて、そう長くはないはずだ。そう思った瞬間、俺はマユに包まれた。
…?灰色?おかしい。実は俺、既に一回寿命を迎え、転生に成功している。その時はピンク色のマユだった。そして、少しずつ意識は薄れ……
ジリリリリリリ…ジリリリリリリ…
ん?何の音だ?そう思いながら俺は起きる。起きた場所は「ベッド」と呼ばれる物の上。
「んなっ、何ぃっ!?」
手を見ると、人間のように肌色で指は五本ある。そして、見た事のあるパジャマを着ている。
そう。俺は人間…それも俺の飼い主になってしまったのだ。