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二匹は目を開けました。
表彰台が目の前に、パッと現れます。
落とし穴に落ちなかったのです。
目の前の階段を上がれば、木馬ゲットです。

しかし次の瞬間!
ヒーローカオスがうしろから2匹の間を走りぬけ、階段を上がってしまいました。
2匹はそのあっという間のできごとに驚きます。
まるで、朝起きたらロッククライマーになっていた、そんな気分です。

「ずるいちゃお!!」
表彰台の上でロッカクがヒーローカオスに怒鳴ります。
しかしヒーローカオスは涼しい顔で答えます。
「もともと君らがこのぼくに勝てるわけが無いちゃお」
その態度にロッカクはますます顔を赤くします。

カラアゲは何か負に落ちない様子でヒーローカオスに訊きました。
「どうして最初本気で走らなかったちゃお?」
「だって勝てるわけが無い奴に本気出すだけ無駄ちゃお」
「・・・・・」
「疲れるだけちゃお」
「そんなこと無いちゃお!」
ふいにカラアゲが叫びます。

「確かに初心者にチャオ辞典見ろと言うだけなら簡単ちゃお
チャオBでの決まりを教えるのは面倒かもしれないちゃお
でも教わらなきゃ何もわからないちゃお
教えてやらないまま同じこと繰り返すよりは教えてあげて次から直してもらうほうがいいちゃお!

何かしなくちゃ変わらないちゃお
本気でやられるの覚悟でやってるぼく達だけにじゃないちゃお
本気でやることが教えてやることちゃお

みんな何か知りたくてチャオBにきてるちゃお
教えてあげるなら手を抜かずにちゃんと教えてあげるちゃお!」

その言葉を聞き、ヒーローカオスの頭の中であるシーンがよみがえります。

―同じ小動物を何度も抱っこさせられ、
―転生させたいと何度もなでられ、
―ヒーカが見たいとそれを繰り返され…

今思えば、それは飼い主の“なんとなく”だったのかもしれません。
能力マックスにしてみたり、転生させてみたり、ヒーカにしてみたり…
あげくのはてに、変化の無くなって用無しとなった彼を飼い主は見捨てました。

そして今、どうするか―
ヒーローカオスはどこからともなくメダルを取り出しました。
そしてそれをカラアゲの胸につけました。
「ちゃお?」
ヒーローカオスは無言でうなずきます。

























































ソニックがヒーローガーデンにやってきました。
木馬が壊れたあとを見事に証拠隠滅されたヒーローガーデンに、かれは違和感を覚えることなく入ってきました。
そしてみつえたカラアゲの胸におかしなメダルがついているのを見つけました。
ふしぎにおもった彼はチャオBに書きこんでみました。
「ヒーローレースのレベル4に勝ったらつくものですよ」
そんな返事が返ってきます。
ソニックはカラアゲをなでてやりました。(END)

このページについて
掲載号
週刊チャオ第125号
ページ番号
4 / 5
この作品について
タイトル
オ パラパラチャーオ
作者
チャピル
初回掲載
週刊チャオ第124号
最終掲載
週刊チャオ第125号
連載期間
約8日