3話目
呪われたタロットカード
「とにかく行くぞ。」
「ああ。」
ギィ。
ゆっくりとと扉を押すと金の扉は簡単に開いた。
「また随分とすごい図書館だな~」
中に入ったオニキスは感嘆の声を上げた。
中には広い部屋とピッチリときれいに整理された本棚。古そうではあるが綺麗なままの本。
何年も使われていないわりにはひどく綺麗だった。
「あいかわらずだな。ここは。」
続いて入ってきたラピスもぐるりと辺りを見回して言う。
「そうか、ラピスは来たことあったんだ・・・・」
つぶやく様に言った言葉にラピスは顔を歪めた。
どうやらいい話題ではないらしい。
「ああ、違うんだ!えっと・・・何の本探しに着たんだ?」
慌てて話題を変える。
彼らの暗黙の了解。
自分のことを干渉されないかわりに人のことも干渉しない。
「別に・・・特にといってはない。が、とりあいずは・・・
Name of angle Book!」
すっと指を差し出して本の名前を叫ぶと、どこからともなく本が出てきてラピスの手の中に納まった。
つまりこの本、いやこの部屋全体には魔法がかけられているのである。
効果は名前を呼ばれた者を引き寄せる効果・・・だろうか?
「オニキス。」
「はぃぃっ。」
いきなり呼ばれたかと思うとオニキスは強制的にラピスの前に動かされた。魔法の効果によって。
そして呪文をとなえる、と同時にオニキスの怪我が治った。
「もどれ。」
ラピスがそう言って本とオニキスの背中をトンっと押すとまたそれらはもとあった(いた)場所へと戻った。
「これで分かっただろう?」
オニキスのほうを振り返ってラピスは言った。
「何が?」
まったく何もわかっていなさそうなオニキスをみてラピスは盛大なため息をついた。
「魔法だ。この部屋には魔法がかかっている。名前を読んだら自分の元へと引き付けられる。人でも本でもこの部屋にあるものならすべて。ついでに言うと本のリストはアレだ。あとは勝手に読め。」
ラピスが指差しているのはカウンターらしきところにあるメモ。
細かな字でなにやら沢山かいてあるそれは何枚もになっておりすべてを大きなクリップでとめられていた。
「これか・・・」
メモを手に取りため息を付く。読みたい本などとくに決まってはいなかった。
「About Death」
とりあいず目にとまった名前を叫んでみる。
飛んできたのは本の端っこがやぶれ、ボロボロになっている1冊の本だった。
続く