(前編)ページ1

『どこにでもいる』とはよく使われる言葉だが、この僕、緑川守(みどりかわまもる)はまさしくどこにでもいる普通の男子中学生である。
ココで言う普通とは、あらゆる意味で一般的である、というコトだ。
例えば親が世界有数の大富豪なんていうコトもないし、僕自身が計測不能のIQを持った超天才と言うわけでもないし、かといってじゃあ適度に頭脳は明晰なのかと言われると悲しいかなそうでもないし。
十年に一人の逸材でもないし、不良でもないし、実は影で凶悪異星人が伸ばす侵略の魔の手から地球を守り続けていると言うわけでもない。

ごくごく一般的な男子中学生だ。

そんな僕がこうして語り手を任されたからには、コレから始まるお話は少なからず僕を中心にして進行していくことになる。
もしかしたら後天的に僕に特殊な能力が降りかかりコレからの活躍を描くパターンかと期待したのだが…。残念ながらそうではなく。

降りかかったのは災難で、その災難に振り回される主人公を描くパターンだった。

このページについて
掲載号
週刊チャオ第218号
ページ番号
1 / 16
この作品について
タイトル
~呪いをかけチャオ~
作者
宏(hiro改,ヒロアキ)
初回掲載
週刊チャオ第218号
最終掲載
週刊チャオ第219号
連載期間
約8日