第3話  転校生2

ガラリ。
「えっ早っっ!?」
「おう、おはよう。」
「おはようチャピン。」
「あ、うんおはよう。」
入ってきたのは先生ではなく、三匹のヒーローチャオだった。
それもそのはず。まだ朝の会まで十分以上ある。
先頭をたって入ってきたピンク色のチャオは、机に座って暇をもてあましていたベインとサターンの姿をみて、するどいツリ目だった目をまるくさせた。
「おはよう。」
「おはy・・ふぁぁぁ・・・・・」
少しだけ遅れて来た二人も挨拶を交わす。
一方のベインは、最後に入ってきた大きな羽と頭のてっぺんに生えた触角(?)が特徴のチャオを見ておどろいた。
「なんだ、キャラメルはいつもよりさらに寝坊するんじゃないかとおもってたのにちゃんと来たのか」
「なっ!?失礼な!っていうかいつもよりってナニ!?」
「いや、そのまんまの意味。」
本人はほめたつもりのベインの言葉に、キャラメルは一瞬で目が覚めそして怒った。
ぎゃあぎゃあと文句を言いながらど真ん中の席に座るキャラメルの後ろを通り抜け、自分の席に向かうムーンは若干うるさそうに顔をしかめるベインに疑問をなげかける。
「それにしてもずいぶん早いのね。」
「ほんとだよ。てっきりあたしが一番に教室に入れるとおもってたのにさー。」
ムーンの声を聞いたチャピンが身を乗り上げて二人を見る。
質問を予想していたサターンはベインよりも先に答える。
「ベインがいつもより早めに起きてね、それにつられて僕もおきたんだ。」
質問に答え終わったころにはキャラメルは眠気がぶり返してきたのか、机の上でダウンしていた。
「ふーん。なぁなぁ、転校生ってどんなやつかな??」
回答に納得したチャピンは、にこにこしながらさらに身を乗り上げて目を輝かせ、だれもこたえられそうにない質問を口にした。
「そんなの来てみないとわからないだろ。」
「予想できたらすごいなぁ。」
「ま、今は待つしかないわね。」
「やっぱそうなのかぁ~。」
そこでタイミングよく、ドアが開かれた。いうまでもなく、先生である。
「はい。みんな席についてるわね。」
それに気づいて、チャピンはイスに座りなおし、サターンは顔だけ正して、ムーンは体の向きを変え、ベインは最後に伸びをして、キャラメルはがばっとはね起きた。

このページについて
掲載日
2012年3月15日
ページ番号
8 / 8
この作品について
タイトル
日常生活
作者
チャルナ
初回掲載
2010年2月28日
最終掲載
2012年3月15日
連載期間
約2年17日