10話 初めての戦い
ガラガラガラガラ
ソーカーが戸を開ける。
その表情は、さっきとはうってかわり真剣そのものである。
ソーカーは一番奥の席につき、低い声で言った。
「大食いメニューに挑戦します」
その噂は瞬く間に広がって、数分後には店内はこれに挑戦する馬鹿な奴はいったい誰なんだろうと物好きな見物客でごった返していた。
そして今、ソーカーが注文をしてから20分たった。
ソーカーは72個目の木の実、砂糖醤油な実にかぶりついている。
このままいけば10万リングも夢ではない。
見物人に見つめられながらもソーカーはガツガツシャクシャクゴシゴシと意地汚く、木の実を飲む様に食べていく。
ソーカーの頬を汗がつたう。
それを僕がふき取る。
そして僕は見物客に知り合いだと思われない様にすーっと身を引く。
しかしよくあんなに腹にはいるもんだよな
僕は顔をコーヒー牛乳の実に突っ込んでいるソーカーを見て思う。
さすがのソーカーもさっきからペースが落ちてきている。
見物人も心配そうな顔になってくる。
もし食べられなかったら誰が払うんだ?
残り時間はあと1分
ソーカーは最後の木の実、インドカリー風激辛木の実に手をつける。
木の実を口に放り込んだソーカーは火を吹く。
こうなるとまるで漫画だが、本当にやっているんだから仕方が無い。
残り時間はあとわずか
ソーカーは木の実をまるまる口に入れる。
そしてタイムアップ!!!
ソーカーの口に木の実は消えていた。
「おおー」
見物客からため息が漏れる。