１話 プロローグ

｢まったく・・・人使いが荒いなあ｣

はい、いきなり人物紹介です。
僕はタップというチャオ。
人使いが荒いのはソーカーって言うやつ。

ソーカーは３日前、僕の村へきた。
何でも｢チャオノカミサマ｣を探しているそうだ。
チャオノカミサマは何でも、願いをかなえてくれるらしい。
｢願いをかなえてくれる｣と聞いてついてきたけど、今思えば賢明な判断ではなかった。

僕は今，ソーカーに木の実を取りに行かされている。
村を出てから毎日、僕が木の実を取りに行っている。
ソーカーはとにかくむかつくやつだ。

僕は木の実を取り終え，ソーカーと野宿している場所に戻ってきた。
｢あれ？｣
木の実を取ってきたのにソーカーさんはいない。
僕はきょろきょろとあたりを見まわす。

ガサゴソ
そばの草むらで音がして，ソーカーが出てきた。
｢タップ，今日は早いね｣
｢ソーカーさん，何してたてた？」
｢・・・｣
聞かなくてもわかる。
きれいにパーツキャンセルしてあった体にパーツがつきまくり。
どーせ自分だけ能力を伸ばしていたんだ。
(ウサ耳かわいいな。欲しいなぁ。)

僕の用意した木の実の9割ぐらいをものの1分ほどで食べきってしまったソーカーは、僕を見つめた。

｢なんですか？｣
｢いやっタップって結構可愛いなあ｣
｢何をいまさら…｣
そのとき僕の手から木の実が消えた。
ソーカーが電光石火の早技で、木の実を奪ったのだ。
｢それが目的かよ！｣
僕は木の実を食べきったソーカーを見てため息をついた。
なんでこんな小学校で言われる゛あやしいおじさん゛みたいなチャオについて行っちゃったんだろう。
僕は人生のリセットボタンが欲しかった。