~後編~

チャム「おい~、本当に大丈夫か?」
カイン「大丈夫、大丈夫。俺、運は良い方だからさ。」
チャム(いくら話しても、無駄ってことか・・・。)
カイン「お、ここはクラスか。」

カインの言う通り、机と椅子がならび、クラスだと一目でわかる。
中は、ホコリだらけで、変な臭いがする。

チャム「おい、おい~。イヤな予感しかしないのは気のせいか?」
カイン「ま、良い感じ~!!なんてやつはいないだろうがな。ここにはいない。別を探そう。」
チャム(探すなよ・・・・。)

ガラガラガラ・・・。また、嫌な臭いがする教室にたどり着いた。

チャム「・・・。ここはなんだ?園長室?体育館?」

どちらかわからないほど、中途半端な広さだった。
カイン「おい、見ろよ。影だぜ・・。チャオか?」

チャムはそれを見たとき、気を失いそうだった。
猛獣のよう大男が、のしのしと、こちらへ向かって来るではないか!!
チャムは、全速力で逃げようとした。しかし、恐怖のあまり、足が動かない!!!

チャム「あわわわ・・・・」
カイン「どりゃあああ!!!!」
カインは、大声をあげて、金属バットを片手に、大男に襲いかかった。

ヒュッ・・・・。ガン!!!!!

チャム「!?」
何が起こったか、わからない。暗くて、カインが見えない。大男の姿もなくなった。

チャム(どうしたんだ?カインは!?多分、バットを奪われて、それで殴られたんだろう。そうだとすると・・・。)

そこまで考えた時、誰かに殴られて、気を失った。





チャム「・・・・・・・・・・・・!!・・・ここは!?」

気が付くと、縄で、なにか、柱のような物にくくりつけられていた。
正面に、チャムと同じくらいのおおきさをしたチャオがおなじようにくくりつけられていた。
やはり、チャムの予想は当たったらしい。

大男「・・・・・・・!!!!!!」
チャムが起きたのに、気が付いたようだ。ちなみに、カインはまだ寝ている。
大男はこちらに向かって、歩いてくる。片手に金属バットを持ちながら・・・。
殺される・・・。そう、チャムは思った。
何か、何か武器はないか!!!チャムは、ポケットをあさりまくった。
すると・・・。ボールだ。野球ボールがあった!!!

チャム「一か八か・・・!!!!」
チャムは、思い切り、ボールを蹴った・・・。いや、はずれた。
ボールは、ただ、ころころころがっていった・・。

チャム「これまでか・・・。」
チャムは、そっと目を閉じた。

ズドン!!!!!!!!!!!!!

チャム「!?」
大男が、いきなり転んだ。ボールを、踏んでしまったらしい。

チャム「ラッキー!!!!!!!!!!」
今の内に・・・!!いや、だめだ。縄がある。

チャム「・・・・・。イテッ!!」
何か、白い物体が、額にぶつかった。
・・・歯だ!!しかも、普通の歯じゃない!!大男の歯だ!!
大きく、鋭い大男の歯は、転んだひょうしにぬけたらしい。
チャム「チャンス!!」

チャムは、その歯をつかって、縄をきった。大男の歯なら、腐った縄など簡単に切れた。
大男は、体が重いせいか、起きあがれずに、じたばたしている。

チャムは、大急ぎで、カインの縄を切り、外へ、カインをかついでとびだした。
すると、前方から、警官たちが、一斉に走ってきた。チャムは、あわててよけた。
多分、銃声を聞いて、駆けつけたのだろう。
大男は、あっという間につかまった。
多分、近いうちに、この幼稚園もつぶされるだろう。
まだ、チャムの左手には、大男の歯が、しっかりとにぎりしめられていた。

このページについて
掲載号
週刊チャオ第32号
ページ番号
2 / 2
この作品について
タイトル
謎の幼稚園
作者
キャノピー(なまたまご)
初回掲載
週刊チャオ第32号