[a thinking as music of intro]
空が青い。
浮き足立つような晴れ間の午後、平和なダウンタウン郊外、
何も考えなくても、自然と綺麗なところへ連れて行ってくれそうな風。
恐ろしいくらい眠くなる公園のベンチ。
こういうときこそ私はPCを叩かせ、
今度友人に見せるつもりの小説を塗り替えていく。
作者名は、「某」として。
今日は気分が良いから水色にしようか?
いや、こういうときこそ、人間の苦しさを真剣に考えて、
スモーキーブラウンの髪をそのままオーバーラップさせようか?
カーテンの光と風を浴びながら、
私はまたこの「Mr.Beloved 2」を更新している。
完成は多分何万文字で埋まるだろう。
そうでないと修学旅行中に考える羽目になる。さっさと…
私は緩やかな時を昇り、
また、タイピング速度を上げようとした…
しかし、そんな静かな美しさはあっという間にとぎれてしまった。
どこからか、銃の音が聞こえる。
悲鳴とか、怒声とか、驚きとか、そんな声も聞こえてくる。
私は野次馬つもりで、幾分か虫が張り付いた網戸を開け、
その顔を外に覗かせた。
が、次には、それらの音を上まるような、
けたたましいハーレーのエンジン音が轟きだし、
結局、私が外に出る頃には、その街の雑踏音は一応の収束を見ていた。
静かな日々がまた戻る。
私はしばらく考えた。
人間というこのような興味を引かれる事件を、
引き起こし、引き起こし、そして、非難する生物を。
あるいは、人間にはそれぞれのドラマがあるのではと言うことも、
そう言うことも、考えた。
そして、ひらめいた。
それは他のどんな色をも追い抜くようなすばらしいカラーを。
人間を一番示した、そのカラーを。
私は先ほどの強盗のことを考えた。
先ほどの強盗は一体どうしているのだろう…?
一体誰と、あんな事件を起こしているのだろうか…?
一体…
『Mr.Beloved 2』