プロローグ

地球―。元は青く綺麗だった地球が、一瞬にして滅んでしまった。
元々の原因は核の使用―。だが、本当の原因はチャオにあったのだ。

人々がチャオを家族と同様にするようになった時代。それと同時にチャオを悪用する人々も居た。
悪用されたチャオ、それはマシン・チャオと呼ばれ恐れられた。

次第にマシン・チャオが増加するにつれて、戦争が起こり、その結果として地球が滅んでしまったのだ。

一部のチャオは人類によって作られた飛行船に乗り、地球と同じ環境の星へ脱出した。
この話は、自分自身の真実を探すチャオの話である・・・。

地球と同じ環境の星―マーキュリー星。チャオ達により平和になったものの、悪も次第に広まっていった・・・。
今ではマーキュリー星の半分が悪に染まって居る状態。その悪の根源の名前は誰も知らず、「帝王」と呼ばれていた。
チャオ達は奴隷にされて、逃げたチャオは殆ど生きては帰れない。

だが、1匹のチャオが脱走していた・・・。
「ちぃ、もう来たのか・・・。」
息を切らして、明らかに限界に近い状況のチャオはそう言った。
後ろからは人型のアンドロイドが迫っている。距離はさほど遠くはなかった。
脱走したチャオは水色のごくごく普通のチャオだ。腰には銃と剣が付いているベルトを廻している。
しばらくは走っていたが・・・、脱走者は逃げられないようになっているのか。行き止りだった。
走るのをやめ、刻一刻と迫るアンドロイドを待つしかないのだ。
「行き止まり・・・!戦うしかないのか。面倒だな・・・。」
チャオは腰に付いている剣を抜きながらそう言った。刃は無く、丁度持つところしかない。
だが、スイッチらしきボタンを押すと、明るく光る刃が出てきた。
光る刃が出る剣・・・。チャオ達はそれをセイバーと言う。
振るたびにブオォン、という音が聞こえる。
次第にアンドロイドは接近し、一定の距離で止まった。
腕には光学(レーザー)ライフルを抱え、全身は全て機械。感情も無い冷酷なアンドロイドだろう。
「最後の警告だ。大人しく拘束されるか、殺されるか。」
冷たく寒気がしそうな機械音をアンドロイドは発した。
「何言っているんだよ・・・。俺が大人しく捕まると思うか?」
「そうか、なら殺すまでだ・・・!」
アンドロイドはライフルの安全装置をはずし、脱走したチャオに銃口を向ける。
引き金を軽く引く音が聞こえる。次には絶対撃つだろう・・・。

ビュイン!

素早く、そして長細いレーザーはチャオの心臓部を貫通したかに見えた。
だが、チャオの姿は見えない・・・。消えたのだろうか。
「何処に居る・・・。出て来い!」
「上だよ!目は何処についているんだよ!」
アンドロイドが上空を見ると、高く飛び上がっているチャオを見つけた。
再び銃を構え、乱射するが・・・。ことごとく剣で跳ね返された。
「てぇぇぇやっ!」
力をこめるような声を発し、剣を振り下ろす。

ジュバッ!

次の瞬間には、アンドロイドは真っ二つに斬れていた。
斬れた所からは火花が散り、二つの体は鈍い音と共に倒れた。
「遅すぎるんだよ・・・。止まって見えるぞ。」
剣を腰のベルトに付け、チャオは走っていった・・・。

2話へ続く!

このページについて
掲載号
週刊チャオ第117号
ページ番号
1 / 8
この作品について
タイトル
Machine-Chao
作者
MASUO(ますお,ます)
初回掲載
週刊チャオ第117号
最終掲載
週刊チャオ第122号
連載期間
約1ヵ月5日