第十話【チャザニアル・18世】
小説~狂世界第十話【チャザニアル・18世】
「だって。とはなんだ。」
フリードが言う。
「だってはだってよ。」
「黙れ。来い。」
フリードは何やら不死鳥の銅像のある部屋にフレアを連れてきた。
「乗れ。」
「何するの?」
「見ていれば分かる。」
フレアは不死鳥の羽に乗り場を見つけて乗った。
「・・・・・。」
フリードはゆっくり深呼吸をした。
「羽ばたけ!不死鳥!」
フリードが叫んだ。
「「「ブランドンヴェイ!」」」
三人が声を合わせると、銅像がゆっくりと羽を動かし、やがて動きだした。
危うくフレアが落ちそうになったが、背中につかまった。
「後は、5820の部屋に行って、右、右、左とドアをすすんで行くんだ。」
ロックハートが行った。
「頑張れば大丈夫だべさ。」
「頑張るって・・・。」
フレアが脅えながら行った。その理由は、フレアが鳥を好きではないからだ。
急に銅像が羽を動かし、やがて飛翔した。
「え・・・・わ、私高いとこ・・・きゃあ~~っ。」
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「何を知っている。」
「色々で御座います。ジュエチャ様。」
老婆は丁寧な口調で言った。
「待て、何故名前を知っている、それより、【様】とは何だ。」
「お気づきないのですか?私は貴方の子孫。その証拠に、これがあります。」
老婆は一枚の写真を取り出した。
ジュエチャが覗き込むと、そこにはジュエチャの姿があった。
「馬鹿な・・・・考えられない・・・。」
「そうでしょう。今は西暦3900年。貴方様の生まれた時から随分と離れております。」
「その前に、名前はなんと言う?」
「チャザンで御座います。」
「チャザンだと・・・・言い直せ。」
ジュエチャは正直驚いていた。
「正確には、チャザニアル・ミネルバ・18世で御座います。」
チャザニアル・・・・。チャザニアルか・・・。