初心者マークの小説講座。 ~2・会話と、説明。(パートB)

『パートB・説明上手になろうぜ2』

パートAではわかりやすい説明のために、
「読者視点」「連鎖反応」「例えの使い方」をしました。

では、今回は主に二つのことをしようと思います。
「主人公の感情・心情を説明しよう。」
「二つの説明の仕方を理解しよう。」

では、最初は「主人公の感情・心情を説明しよう。」です。
まぁ、感情・心情で思いつく物はいろいろあると思いますが、
「うれしい・楽しい・悲しい」だけではないことに注意。

(例)
・あぁ、何でこんな事になるんだろうな。
・僕はどうせなら死にたいと思う。

・・・なんか、嫌な例えばかりですが、
これも立派な「心情」ですよね?
だから、はっきりとした心情もあれば、
こんな感じのながーい心情もあるわけです。

だから、この心情をあらわすには、3つの方法があります。
まぁ、1,2,3とどんどん難しくなりますから。
最初は1で心情を、慣れてきたら2や3に手を伸ばし、
より面白い説明をめざしてください。

(例)
あらわす心情「主人公は、女の子に告白されてとてもうれしい」

(1)~直接「うれしい」という言葉を出す。

主人公は、どうやら女の子に告白されたらしく、
かなりうれしそうだった。

(解説)
・・・はい、これで終わり。え?こんな簡単で良いの?
でも、これでも立派な心情表現です。
だって「うれしい」って書いているじゃあありませんか。
でもまぁ、次からが少し難しくなるかもですね。

(2)~(1)+あたかも主人公が思ったかのように言う。

「本当に、告白されたんだよな、俺。」と彼は内心そう思った。
主人公は、かなりうれしそうだった。

(解説)

説明の中に「」で主人公の口癖で、
会話のように書いて、最後に「~と思った」と繋げるパターン。
先ほどよりも、距離が近い感じがして、
より、主人公にとけ込んでいきやすいタイプです、

(3)~(2)+「連鎖反応」「読者視点」を利用する。

「本当に、告白されたんだよな、俺。なんか少しうれしいかもな」と彼は内心そう思った。

そして、あの告白の時の事を思い出すたびに、
無表情を取り繕うとしても、すぐににやけてしまうのだった。
でも、それを悪いとは思わなかった。

夕方になりつつある赤い空の下。
放課後の、校舎を後ろに見ながら校門を歩いていく。
穏やかな風が彼の髪の毛を揺らした。

(解説)
2の文章に付け足しましたよ。
ただ、「うれしい」を直接ではなくて、やや間接的に、
主人公の「」内に入れてあります。
こっちの方が「うれしい」が強調されにくくなって、
淡泊な文章にならずに済むからです。
そして「うれしい」を少し詳しめに書いています。

一つ目は「連鎖反応」。この場合なら、
「告白されたので、彼はうれしく、すぐににやけてしまう」
と考えています。連鎖が2つでなく3つであることにも注目。
「告白された」→「うれしい」→「すぐににやける」
とこんな感じでしょうか?

実は、この連鎖反応、心情に置いては、こういう法則が。
「行動1」→「心情」→「行動2」
行動1とは「何故「心情」になったかの理由になる行動。」
行動2とは「「心情」だから起こってしまう行動。」
のことです。

実は、この3つの連鎖反応を使うと、
非常に心情の説明が上手くなります。
ここまで来るには結構きついかもしれませんが、
頑張って書けばそのうちできるようになるはずです。

そして、二つ目はなんと言っても「読者視点」
最後の文章、かなり注目です。
「状況、天候」がきちんとないと、読者は想像できませんよね?
そのストーリーの一区切りずつにあのような説明は入れましょう。
読者にわかりやすい小説にしましょうねぃ。

このページについて
掲載号
週刊チャオ第262号
ページ番号
3 / 3
この作品について
タイトル
初心者マークの小説講座
作者
それがし(某,緑茶オ,りょーちゃ)
初回掲載
週刊チャオ第262号