KOKORO

僕は―

この世に生まれて来て良かったのだろうか。
僕は昔、
怪物として捕らえられた。
それもそのはず。

僕は親にモルモットにされた。
何故モルモットか?
モルモットは実験動物だから。

僕はそのモルモットと一緒にされた。
そして右手に鋏型の武器を埋め込まれ、頭は脳手術をしたため銀色のヘルムを着けている。
もう僕は、
普通の子供として、チャオとして、生き物として、生きる事は出来ない。
哀しかった。
辛かった。
けど、僕は今日知る。
僕よりもっと哀しい思いをして、もっと辛い思いをして、もっと苦しい思いをしている人が、
居るって事。

いつもの森。
・・・なんだか違う。
木々がざわめいている。
何か、邪悪な何かがやって来るって思った。



その予感は当たった。
エッグマンとかいう人間が、この森を壊そうとしていた。
やっと辿り着いた、僕の憩の場。
失いたくなかった。
僕はエッグマンの元に走った。



森が破壊されていく、僕は近くのメカを倒し始めた。
けど、戦えるのは1人しかいない。
戦えるのは、僕1人しか居ない。
いなかったんだ。
仲間なんていなかったんだよ。
いつも仲間といるときは誰かが犠牲になる。
それが怖くて、僕は孤独を、1人心の奥底で押し殺してきた。
けど、
やっぱ仲間は欲しい。
仲間って者はいつの間にかなっていて、そしていつの間にか去っていくけど、
護り合ったりする事っていいと思う。
そんな事より、
駄目だ。
メカの数が多すぎる。
僕は木に寄りかかって死を覚悟した。
メカが僕に近づいてくる。
殺ってくれよ。
僕なんかこの世に居ても意味が無いんだ。
このまま殺してくれ。

―あきらめるな。少年よ。

僕は意味が全然分からなかった。目を開けると、1人のチャオが戦っていた。
迷彩柄のバンダナを着けていて、武装していた。
エイリアンチャオ。
ありえない光景だった。
たった1人のチャオが、無数のメカを倒していった。
遂には、エッグマンを返り討ちにしてしまったのだ。
そのチャオは僕に近づいてきた。
右手を差し伸べて、こう言った。

―1人でよくやった。

微かだけど、その人は笑っていた。
僕はその差し伸べられた手に僕は自分の手をのせた。
自分自身でも驚いてた。
他人なんていつも避けていたのに。自ら行くなんて。
その人の手は底知れぬ安心感で手をのせた後、僕はそのまま眠ってしまった。


目が覚めた。
手当てがされていた。
その人は木の上で夕日をぼぉっと眺めてた。
僕は木に登ってその人の横に座った。

NEXT・・・

このページについて
掲載号
週刊チャオ第296号
ページ番号
1 / 3
この作品について
タイトル
KOKORO
作者
カオスソーサラ(メガライア)
初回掲載
週刊チャオ第296号