第四十話『変なおっさん木場川』 前編
その闘いから数日間、コドウと霧崎は疲れで眠っていた。
もっとも、闘っていない光は眠っていなかった、まぁそのあいだ何かしていた様だが。
コドウ「はッ!!」
見た事のない部屋、周りは何か飾り付けたくなるほどこざっぱりしている。
しかも病院のベッドの様なベッドだ、そして隣にはココロが眠っている。一体ここはどこなのだろうか。
もしかして俺は死んだのだろうか、いや、死んではいないだろう。
ココロが隣にいる時点で違う、服だってあの時と一緒だ。
俺はそう思って立ち上がる。
コドウ「扉は・・・あるな。とりあえず出てみるか・・・ココロ、待っててくれ」
そして扉を開ける。
・・・ん?なんか見たことある場所だな・・・
鍛冶屋刀剣の・・・地下!?
こんな部屋があったのか・・・
そこに誰かが歩いてくる。
霧崎「・・・ようやく起きてきたか、遅せーよ」
コドウ「るせーよ・・・で、今日何日だ」
霧崎「あの日から三日経ってる」
コドウは驚きが隠せなかった。
額から汗が一滴流れ落ちる。
コドウ「・・・光は?」
霧崎「さっきそこらへんで見かけたけどなァ・・・外じゃん?」
コドウは外に向かって歩き出す
ココロを連れて行こうともしないで
コドウ「・・・あッ!・・・ココロ忘れてた!」
・・・ただ忘れていただけの様だ
三日間寝ていたから脳年齢でもさがったのだろうか
コドウは部屋へ入る
コドウ「ココロー、起きろー」
そういうとココロはムクッと起き上がる
ココロ「う~ん・・・なぁにぃ?コドウ?・・・」
コドウ「とりあえず起きろ、外行くぞ」
コドウはそういって無理矢理ココロをひっぱって外へ向かう
ココロは引っ張られているにもかかわらず寝ている。
どんな神経してるんだ。
コドウは外に出る。
外は雲ひとつ無い青空である。
久しぶりだからだろうか、コドウは眩しそうに光を遮るように目に手をやる
コドウはココロを引っ張りながら町へ出る。
光「きゃーーーーー」
光は叫んで手を上げながら走っている
走っているというより何かから逃げていると言うべきだろうか
コドウ「お、光ぃ~!」
コドウがそういうと何か光を追いかける様におじさんが走って来る
おじさん「ひ~か~り~ちゅああああん!!!」
絶対に光を追いかけているであろう言葉を口にした
そして光はコドウに気付いたのだろうか、コドウの後ろに隠れる
光「コドウ君!助けて!」
光はそんな事を言う
コドウはやれやれという顔をすると眠っているココロを前に突き出し、能力を発動する
コドウ「おい!おっさん!」
コドウは刀も抜かずにおじさんに声をかける
おじさん「ひ~か~り~ちゅああああん!!」
コドウの額に血管が浮き出る
そしてコドウは刀に手をかける
光「コドウ君!それはだめだよ!」
ぷく「そうです!」
お前もいたんか、っていうか自分で能力だせよ。
とそんな事を思っているあいだにおじさんはかなり近づいてきた
コドウ「はぁ・・・」
コドウはそうため息をつくと、構える。
しかしそれは刀を構えたのではない。腕を構えたのだ。
そしておじさんが目の前までくる。
コドウ「くらえやあああああああああああ!!!」
コドウはおじさんのみぞおちに入る様に腕を突き出す
おじさん「う゛ッ」
おじさんはあきらかに痛そうな声をあげる
普通の人ならみぞおちに入ったところで気絶するがこのおじさんは倒れなかった
おじさん「・・・なかなかいいパンチだ」
コドウ「なッ・・・なんだこいつ!?」
コドウはそういうと光の手を引いて鍛冶屋刀剣に向かう。
確かにこんなおじさんにあったら逃げたいよなぁ・・・
そして鍛冶屋刀剣に入る
そして扉をいろいろなおもいもので固定する
コドウ「はぁ・・・はぁ・・・ここまでくりゃあ平気だろ」
コドウは肩で息をしている。
光「何なの・・・?・・・あのおじさん・・・」
コドウ「はぁ・・・・・わからねぇ・・・」
コドウはそういうと能力を解除する
しかし、コドウが能力を解除したその瞬間、ドアがドンドン!!と勢いよくなる
コドウ「ウソ・・・だろ・・・?」
そして音はさらに大きくなっていく
そして扉が破壊される
大きな崩壊音とともに崩れ去る扉・・・
そこにいたのは・・・
おじさん「ひ~か~り~ちゅああああん!!」
やっぱりあの親父だった。
もうこれはストーカーだろう。
コドウ「クソッ・・・」
コドウはココロを持つ
おじさん「おやおや・・・また能力(ちから)を使うのかな・・・?」
おじさんはそういうと背中に隠していたのかそれともただ単にへばりついていただけなのだろうか
チャオを背中から取った