~チャオ絵の無い絵本~(仮)
1~
~始まりの事~
きらきらと光る太陽、
遠く広がる青い海、
風は海の匂いを運んで、ふっと遥かに駆けて行く。
そんな、ミスッティックルーインの青空の下、
一匹のチャオが気持ちよさそうに歩いていました、
彼の名前はレオンハート、
何やらとても上機嫌、
耳を澄ませば、
ほら……
「チャオチャオチャ~~♪ チャオチャ~オチャチャ♪」
レオンハートの歌が聞こえてきます。
きらきらとお日様の光を照り返して、
金色のレオンハートは、
長いそしてチャオには一段が高すぎる階段を、一つ、また一つ登って行きます。
「チャオリアチャ~♪ チャオチャオチャ~♪ もう直ったはず~~♪」
レオンハートは今、テイルスの工房に向かう途中……
何日か前、テイルスにお願いをしました、
それは、一週間前のこと、
レオンハートは壊れたオモチャオを拾いました、
名前はチャオリア、
壊れても、ずっとチャオリアは助けを求めていました、
遠い遠い空の向こうで……
遥か下の青い星に、
壊れた自分のかけらを落として、ずっとずっと……
その欠片の一つを拾ったレオンハートは、
導かれるままチャオリアを見つけて、
そして壊れたチャオリアをテイルスの工房にはこびました、
「わ…私はチャオリア……」
「もうすぐテイルスにみてもらえるから、そしたら直してもらって、
一緒に遊ぼう、チャオリア」
壊れたチャオリアは、
運んでいる最中も、また同じ言葉を繰り返してばかり。
思ったより酷かったのか、
テイルスも、
「一週間したらまたおいで」
そう言って、
チャオリアを引き取り、工房に閉じこもってしまいました。
それが一週間前、
それから、
レオンハートは、一番近いミスティックルーインのガーデンで過ごし、
今日、再びテイルスの工房へ訪れたのでした。
「チャ!」
掛け声一つ、
最後の段を飛び越えてレオンはーとは一番上までやってきました。
お日様ぽかぽか、
風向きが変わって、森から流れる草の匂い、
目の前に広がる広場は、とってもお昼寝向き、
……そして
しばらく歩いていった先には、また階段と……
その上に、丘の頂上にあるテイルスの工房、
どうやらまだ道のりは長そうです。
「・・・・・・まだまだかぁ~~~」
うっかりしていたレオンハート、
座り込んでお弁当、
だって、昨日は興奮して全然眠れなかったし、
今朝は、今朝で、速く会いたくて、
ご飯も食べずに飛び出して……
だから今はおなかぺこぺこ、
大好きな、ゲンキノミをおいしそうにほうばっています。
今日は、お日様がぽかぽかあたたかくて、
風もこちょこちょ気持ちよく……
外で遊ぶのは絶好の日和。
それに、
レオンハートは昨日は興奮しすぎて寝れなくて、
今朝は、今朝で、ご飯も食べずに飛び出して、
でも、今はおなかいっぱい……
だから……
お昼寝しちゃうのは、どうしようも無いことでした…………