『カメレオンみたいなチャオ』
なんだか、
上手く行っているような気のする日々が続いてみたり。
どうにも、
失敗してしまったような気のする日々が続いてみたり。
と、そんな流れで、ついついと甘酸っぱい気持ちになる毎日なのだけれど。
でも、どんな悩みであったとしても、
例え、どんな不安であったとしても、
そんなものは全て、トカゲのしっぽみたいなものなんだから。
切っても切っても生えてくるってもんなんだよね。
今、それを解決したとしても、またすぐに別なのが生えてくるものなのさ。
デモ、アオクナッチャッタヨ
いや、確かに僕は金色のチャオが欲しいな、なんて思ってはいるけれど、
だから、色々と沢山と、チャオの色を変える為の餌なんてものも、
買って来ちゃったわけなんだけれど、
別に今すぐ、金色になって欲しいってわけじゃないんだよ。
そうだよ、今すぐ金色になってくれって、そういう話じゃあないんだ。
いつか、そのうちにねって、そんなレベルの話なんだって。
そんなね、かわいらしい瞳だからってね、
きょろきょろと動かしてみたところで、
いや、ほんと、僕は僕の瞳よりも、キミの瞳の方が素敵だって思っているんだよ。
話がそれてしまったけれど、
そんなね、瞳だけ動かしてあちこちと見つめてみたところで、
なにをしたら、目指す色になれるのかなんて、
わかったりはしないんだよ。
つまりね、明日というものは、覗けたりするものじゃないんだ。
人生ってのと一緒なんだな。
どんなに頑張ってみたところで、明日を覗き見ることなんて、できたりはしないんだ。
えっ?人生とかって、そんな面倒な話は聞きたくないって?
うん、じゃあ簡単な話にするよ。
キミは僕の本棚に目を走らせているみたいなんだけれど、
やっぱりね、教科書みたいなものもないんだな。
困ったことなんだけれどね。
チャオを金色にするための方法の書いてある本は、ないんですよ。
僕の部屋にもないし、本屋さんにも図書館にも、ないんですな。
まあ、人生ってのも、そんなもんでしてね。
教科書なんてものはないんですよ。
あ、いや、教科書は本当は、あるな。
人生の教科書ってものは、実はある。
それは、実はその人の中にあるんだ。
それと同じで、チャオを金色にするための方法の書いてある本は、
実はキミの中にあるんですよ。
どうして人生が出てきちゃうのかって?
それはキミが僕の人生だからさ。
だからね、気にする事はないんだよ。
青という色は、憂鬱な色じゃないんだよ。
ほら、窓の外の青空を見てみなよ。
あのまっ赤な色で、まっかっかに笑っている太陽を見てみなよ。
あれはあれで、なんかとっても大きくて、偉大な存在なんだけれど、
青って色は、あの太陽を抱きしめて、支えている、
もう一つの大切な存在である「空」の色なんだよ。
時には、そんな色になってみたって、いいんじゃないかい?
その色はその色で、素晴らしいものなんだよ。
だから、ね、いろんな色になっちゃおうよ。
僕は、そう思っているんだよ。
本当にそう思っているんだよ。
やけくそになっているわけじゃないって。
うん、じゃあねさ。
もう、夜になっちゃったことだし、お腹もすいてきたでしょ?
そろそろこうしてみないかい?
どれを食べるか、自分で決めちゃうっていうのはどうかな?
キミの目の前にこうやって、みんな並べてあげるからさ、
それぞれ、その色になれる餌なんだ。
うん、金色になれる餌は、ないんだけれど。
どの色が好きなの?
自分から、選んでやってみちゃうってのも、ありなんじゃないかい?
首傾げちゃって、ちょっと可愛い仕草なんだけど、
僕はその姿も大好きなんだけれど、
ともかく、悩んじゃうことなんてないんだって。
あ、その黒になれる餌を選んじゃうのかい?
いいんじゃないかい?
うん、ちょっと黒くなっちゃってみよう。
いいと思う。いいよいいよ。
とっても、素敵な選択だよ。
いいよ、いろんな色になっちゃおうよ。
食べちゃえ、食べちゃえ。
クロクナッチャッタヨ
だから、悲しい顔をするなって。
黒だって、これはこれで、いいじゃないか。
あの窓の外の暗闇を見てみなよ。
そしてそれから、あの灰色に染まった雲を見てみなよ。
あの灰色の雲ってのは、なんだか不気味で、気持ち悪いけれど、
黒って色は、あれを塗りつぶすことができる色なんだよ。
時には、そんな色になってみたって、いいんじゃないかい?
その黒い夜の色は、それはそれで、素晴らしいものなんだよ。
だから、泣くなって。
今すぐ、僕の望んだ金色になれなかったからって、
僕は別に悲しくなんかないんだって。
ホントニ?
ほんとだよ。
いつか、僕がイチバン望んでいる色になってくれたらなって、
ちょっとは、思ってるってだけでね。
それは今である必要なんかないんだ。
(「つづき」に続く)