1話 開放

・・・何も無い真っ白な空間。

どこまで行けば果てがあるのか、そもそも果てなど無いのか、それすらも分からない空間。

その空間の真ん中には一匹のチャオが、正確には一匹のチャオの意識が横たわっていた。彼の名はカイト。百年前に起きた戦争で活躍し、英雄と言われているチャオ。

カイト(ここはどこだろう・・・僕は今・・・何をしてるんだろう・・・)

答えの返ってくるはずの無い自問を百年もくり返しているカイト。

その時、何かの声がした。

「目覚めろ・・・カイト・・・」

その声が消えると同時にカイトの意識は蒼い炎に包まれ、小さな蒼い玉になった。

不思議な事に熱くない。

その小さな玉はどこかへと転送された。


・・・山に囲まれた小さな村。

チャオたちがのどかにくらしている。

その村は英雄の故郷と言われていて、外れの洞窟の奥には英雄が封印されている、という伝説がある。

その洞窟の一番奥には鎖でがんじがらめにされた棺桶がひとつ、立てて置いてあった。その前にはチャオが一匹。

そのチャオの姿は緑色のNPPの姿をしているが、普通のチャオよりもう少し大きい。

???「カイト・・・お前はいつになったら目を覚ますんだ・・・。」

???はそう呟くと洞窟から出て行った。

このページについて
掲載号
週刊チャオ第247号
ページ番号
1 / 27
この作品について
タイトル
カイトの物語
作者
ソニシャド
初回掲載
週刊チャオ第247号
最終掲載
週刊チャオ第257号
連載期間
約2ヵ月12日