第一章 一話 【二匹の変わり者】
皆さんは、覚えているだろうか。
星を救った、大勇者マイトのストーリー。
海だけだった星、ウォントスターを救い、そして他の星までも救った者だ。
チャージ、キン、ギン、ダン、タイン、ドリク、タップ、クワギ、チロ、ロイン、リアラ、ギャリー、ライガ、タトラー、ブルーアイ・・・
これほどの仲間と友に、ウェーブや、ブラッド四人衆、そして、スタラに勝ったのだ。
虹色の宝石を、神殿にはめ、ウォントスターに陸を作り、
全力を使い果たした勇者達は、消え去った。
その勇者達のパワーでできた、虹色の卵だけが残った。
そして・・・また、新たな冒険が 始まる。
【ウォントスター ブルーシティ】
[墓]
ココにはたくさんのチャオが、勇者達の墓参りにやってくる。
だが、ソコには、ひねくれ者が一匹。
グルース「チッ、朝っぱらから墓参りカ!?」
ソイツは、ダークチカラ二次進化で、右目に三本の赤い傷がある。
体がデカくて、態度もデカいし、アゴまでデカい。
しかも、目つきも悪い。パイレーツハットと、右手にフック。海賊らしい。
グルース「何がマイトだ!あんなヘナチョコ野郎!!」
たくさんの墓参りにきたチャオ達が、グルースを怖がる。
グルース「こんなヘンテコリンな虹色の卵、俺が目玉焼きにして食ってやろうか!?ガァーッハッハッハ!!!」
すると、人ごみ・・いや、チャオごみ(?)の中から、ものすごい速さで誰かがやってきた。
???「貴様・・・!!マイト様を侮辱するとは!!!なんたる無礼!!!」
ヤツはいきなり剣を構え、グルースの目の前に突き出した。
グルース「・・・・何のつもりだァ?リット。」
リットと呼ばれたチャオは、ニュートラルフライ、ノーマル2次進化。後頭部にピンと角が真っ直ぐ立っている。
リットは、剣をしまい、小さい体ながらグルースをにらむ。
リット「今後、口の聞き方に気をつけろ。さもないと・・・貴様の首が飛ぶであろう。・・・」
ものすごく恐ろしい顔だが、グルースはいきなり笑い始めた。
グルース「ガッハッハッハ!おチビちゃん、ずいぶん威勢がいいじゃねぇーか。」
すると、グルースは右手のフックをリットに向けた。
グルース「お前も口のきき方に気をつけた方がいいぞ?さもないとこのフックがお前の頭を貫くーってな!」
向けられたフックを、リットは剣ではじく。
リット「フン。弱い者がギャァギャァわめくでない。では、これで私は失礼するぞ。」
剣をしまい、グルースに背を向け、スタスタと帰っていくリット。
グルース「あぁーん!?誰が弱いだぁー!!!ちくしょう、クソ野郎め・・・俺は帰るぞ!」
ドスンドスンと大きな足音をたてながらグルースは帰っていった。
このとき誰も思っていなかっただろう。この後大惨事が起こるということは・・・