第1話 『明日生まれるハズだった。』
勇者、マイトの手によって、海だけだった星、ウォントスターに、陸ができった。
神殿は、立ち入り禁止とされている。そこには、世界を変える虹色の宝石がはめこまれている。
虹色の宝石は、神殿にはめ込む者によって、世界が変わる。マイトの強い思いは、陸を作り上げた。
マイト、それに他の仲間の墓には、毎日たくさんのチャオが、墓参りに来る。
今では、明るい光りも立ち込めて、今では、農業もさかん。そして、海は限られたところにしかなくなった。有名な、海水浴場として観光客も多い。
マイトたちが消えてしまった後の、虹色の卵。あれはどうなったのだろうか?
卵はマイトの墓のとなりに祭られている。
だが、このごろは、フラッシュスター(元ブラッドスター)ブームらしく、ロケットで、フラッシュスターに観光に行くチャオも多い。
ある日、ウォントスターほとんどのチャオが、フラッシュスターへ観光に行った。
いつもはたくさんのチャオが墓参りに来るはずが、今回は一人だけ・・・・・
その一人の名前は、デュオ。まだ線が緑色のシャドウチャオだ。
デュオ「ったく、みんなで観光になんか行きやがって・・・・」
デュオは、卵の前に、とっておきの甘い木の実を備えた。
ウォントスターのようすは、今でもシーンとしている・・・・
デュオ「勇敢な奴らをほっといて観光とはな、困ったもんだぜ。」
デュオは卵をなでた。
デュオ「確か、明日に生まれる予定だよな。祭の準備もするころか。」
そう、この星の医者チャオ、ドクターが、卵は明日に生まれる!と発表したのだ。だから、明日は勇者の卵が生まれる祭だ。
デュオ「へへっ、虹色の卵ってもんだから、虹色チャオなんだろぅな~、見てみたいぜ。」
そう言ってから、誰にも気づかれないように卵を持ち上げてみた。
デュオ「本当はダメなんだけど、持ち上げちゃったぜ。なんかいい感じがするな~!」
デュオは数分間、卵を持ちながら墓の周りを歩いて見た。
途中から早足になった。
デュオ「早く明日になんねーかな!中身が見たいぜぇ!!」
デュオは走り出した。だが,次の瞬間・・・・
デュオ「ぅお!?」
小さな木の根につまづいてしまった。
デュオ「あ・・・・あわわわわわ!!!」
ズデ~~~~ンッ!! 大きな音だったが、ウォントスターには今ほとんどチャオはいなかったので気づかれなかった。
デュオ「いたたた・・・・・転んじまった・・・・あ!?卵は!!!????」
そのとき、後ろから声がした。
子「いたたたた・・・・・・ふぇ?なに?なに?」
なんと、卵は、墓石にぶつかって生まれてしまったのだ!
デュオ「ぎょひゃーーーー!!えらいこっちゃえらいこっちゃ!」
子「なに?なにがあったの?なに?」
卵から生まれた子は何も理解できない。
デュオ「お、俺のてで卵わっちまったーーー!!」
子「ま、落ち着いたら?」
デュオ「え?・・・・・そ、そうだな・・・・」
デュオは子供から言われて少し恥ずかしくなった。
デュオ「お前は、明日に生まれるはずだったんだが、俺がわっちまった・・・・すまんかった!」
子「わからないよ、なにがどうしたっていうのさ!」
デュオ「あれ?お前って、ただのピュアチャオじゃねぇか、」
子は、ただの水色のピュアチャオだった。
子「フゥ~~ン、そうなの?」
デュオ「とにかく、見つかったらたいへんだ!うちに来い。」
そして、子とデュオは家に向かう・・・・・
続く