第1話

 西暦30××年・・・環境問題も完璧に解決され誰もが幸せに生活していた頃、地球を揺るがすような事件は起こった。
突然太陽から青い放射線が放たれ、それを浴びるとともに地球上のすべての生物が姿を消したのである!
が、それだけではなかった。何もなくなった地球に、チャオの卵が3つ、生まれたのだ。寄り添うように3つの卵から生まれたチャオ達は、ともに生き、3匹のカオスチャオになった。それぞれヒーロー、ライト、ダークカオスになったチャオたちは、3匹で不思議な力を使い、地球をチャオの楽園につくりかえるとともに、無数のチャオの卵をときはなった。その卵から生まれたチャオたちは、3匹のカオスチャオが創った世界に住み始め、文明を築き上げたのだ。

 「ふう・・・」とため息をついたのは、アスカナというナイツチャオである。街の図書館に暇つぶしに来てみたはいいが、何も面白そうな本がないので神話の古い書物を読んでみたのだ。冒頭の文は
それを要約したものである。
「オッス、何読んでんだ?アスカナ」隣の本棚の影から、1匹の
シャドウチャオが顔をだした。このチャオの名前はユリカゲ。
アスカナの幼馴染だ。昔から一緒にいたこの2匹はとても仲がいい
し、いつも一緒だ。
「別にぃ。お前こそ調べ物は終わったのかよ」アスカナは聞く。
「おう、ばっちりだぜ」ユリカゲがうれしそうに答える。
「じゃ、かえるか」アスカナが背伸びして羽をパタパタさせている。帰り道の途中でアスカナが聞いた。
「そういや、なにしらべたんだ?」「いやちょっと、CHAO-POLICE
についてな」 「CHAO-POLICEぅ?」 「ああ」

 CHAO-POLICE・・・それは、全世界から集められたチャオの精鋭達によって作られた世界最大の政治・軍事組織である。
「CHAO-POLICEの事なんか調べて、何するつもりなんだよ」
アスカナがあきれた顔で聞く。
「入る」 「ハア?」アスカナはとてもおどろいている。
それもそのはず。CHAO-POLICEは、厳しい入団テストがあり、入団確立は1500分の1とまで言われる超難関なのだ。
「いやそれがよお。親父もCHAO-POLICE出身だろ?俺も入ろうと思ってさ」そう、ユリカゲの父は、CHAO-POLICE政治部文献課出身で、図書館もユリカゲの家で管理しているのだ。
「そういうわけか」アスカナはあきれている。
「それだけじゃねえぜ」ユリカゲはにやりと笑った。
ごそごそ、と2枚の紙をとりだしこう言い放った。
「ちゃあんとお前の分の受験票もあるぜ!」
「ええええええええええええええええええええええ!?」
「そして、応募部署は軍事部のNO,1主要組織、被り物団だ!それじゃ、CHAO-POLICE本部に、しゅっぱ~~つ!!」
「ちょっ、ちょっとまてよ~~~!」

こうして、アスカナとユリカゲの冒険がはじまったのである・・・

このページについて
掲載号
週刊チャオ第267号
ページ番号
1 / 17
この作品について
タイトル
被り物団の仲間達
作者
トリップ(ユリカゲ)
初回掲載
週刊チャオ第267号
最終掲載
週刊チャオ第280号
連載期間
約3ヵ月2日