エピソード №16
カズマ「・・・行っちゃったね、大男。」
トシ「さてと、これからが問題だな。」
エピソード №16 「記憶に移る第二の本拠地」
前回、大男は例の組織の仲間だと発覚した。それをどうするかで一同は話し合っている。
トシ「どうする?あの大男を追いかけるか、それとも深入りしない―――」
カズマ「追いかける!」
ハルミ「深入りしない!」
・・・この通り、意見は真っ二つになります。
ハルミ「あんな怖いの相手に勝てる訳無いじゃないですか!」
カズマ「ボロを出させればいいんだよ!」
ハルミ「ボロならその内出るはずですから、そこを狙った方がまだ無難です!」
カズマ「あいつ等はプロだよ?自然にボロが出る訳無いじゃん!」
ハルミ「その前に、追いかける方法はどうするんですか!」
トシ「俺の軽トラがあるけど?」
カズマ「・・・決まりぃー!」(勝ち誇る顔)
ハルミ「ううううう・・・。」(負け崩れた顔)
結局、トシの運転する軽トラの後ろに乗った。
カズマ「おっさーん!行き先は平気なのー?」
トシ「ああ、この前怪しいトラックがタイヤの後をキレイに残してくれたからな!」
ハルミ「足取りは掴んだ訳ですね・・・。」
カズマ「何?まだ不安なの?」
心配そうにハルミの顔を覗き込む。
ハルミ「・・・少しだけ。」
カズマ「平気だよ!僕が付いてるからさ!ねっ?」
ハルミ「・・・はい。」
トシ「それじゃあ行くぞー!」
カズマ「オッケー!」
カズマ「・・・?」
ハルミ「どうしたんですか?」
カズマ「この先があいつ等の本拠地な訳だよね?こんな道無かったけどなぁ・・・。」
カズマの言う通り、本来町の裏通りにあった本拠地に向かうのではなく、アスファルトの道路がただ一本、他は全て荒野なのだ。
ハルミ「そうなんですか?私の場合だと、こんな感じでしたよ?」
カズマ「あれっ?覚えてるの?」
ハルミ「え?」
カズマ「だって、確か記憶喪失だったはずじゃ無いの?」
ハルミ「あれ?何で・・・。」
そんな事も気にせず、ただひたすらトシの軽トラは走り行く。
ハルミ「(・・・何だろう。見ただけで、そのまま頭に浮かんで来る。何もかも・・・。)」
カズマ「・・・大丈夫?」
ハルミ「・・・。」
カズマ「ハールミー?」
ハルミ「あ、だだ、大丈夫です。」
トシ「おーい!見えたぞー!!」
カズマ「ホントー!?・・・ハルミ、あれ、見覚えある?」
ハルミ「あ、あれ!知ってます!(・・・って、また思い出した・・・。)」
カズマ「見ただけで、何もかも思い出しちゃうんだねー。」
ハルミ「何ででしょうか・・・?」
カズマ「いいんじゃない?一応記憶は戻る訳だし!」
ハルミ「・・・あいかわらず大ざっぱですね。」
カズマ「まあまあ、気にしないで!」
トシ「もう到着するぞー!」
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