プロローグ

・・・西暦4589年。
ここは・・・今のチャオがさらに進化し、
さらなる知能を持ったチャオたちが生活する国、「ハルルハッツ」
人間は既に滅び、その跡にはチャオたちが住み着いた。
チャオたちは人間たちの過ちを繰り返さない、
そう心に決め今日を生きる。
その過ちとは、
・自然破壊
・戦争
・欲望の暴走
など、あげればキリがないだろう。
その過ちは人間が滅んでから一回も繰り返されなかった。


・・・あの日までは。


ハルルハッツの様子を見てみよう。
街並みは人間の街とほとんど変わりはないが、多少の違いはある。
建物の形などは少し小さくなっている。
チャオの大きさを配慮してのことだろう。
娯楽施設は全て破壊され、公園などになっている。
そして最も大きく変わったのは、一つ一つの市町村への
『オモチャオ』の派遣である。
このオモチャオ、西暦2000年あたりのものとは外見は同じだが、
中身は全く違う。
従来のものと同じく人工知能が採用されているが、
このオモチャオは『情報受信・送信システム』なのだ。
その地で何か起きても、オモチャオがすぐに(飛んで)
かけつけて、状況の情報を中央情報センターへ送信する。
多少の戦闘力もあり、凶暴な野生動物などにも立ち向かえる。
「多少」といっても、人間の国一つを滅ぼす程だが。
しかし「オモチャオに戦闘力配備」のことには賛否両論あった。
もし故障して住民に襲い掛かったらどうするんだ、
住民に危険はないのか、などの意見もあった。
結局は賛成が大多数で、反対意見は破棄された。
そして市町村一つにつき、5台のオモチャオを派遣した。

それが過ちを繰り返す元とは露知らずに・・・。

このページについて
掲載号
週刊チャオ第55号
ページ番号
1 / 11
この作品について
タイトル
『情報世界』
作者
ドロッパ(丸銀)
初回掲載
週刊チャオ第55号
最終掲載
週刊チャオ第81号
連載期間
約6ヵ月2日