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「よし、着いた。ここがチャオ研究所だ」
結局、来てしまったわけで。
本当に解剖とかしてしまうのだろうか?
「とりあえず、あれだ。持ってきた道具で解剖してもまともな結果は得られないだろう」
「あ、じゃあ解剖の選択肢は消えるわけだな」
「どうにかしてライトカオスを入手して、家で解剖する」
どっちにしても解剖するんかい。
こいつにまともな選択肢はないようである。
いや、断言してしまおう。ない。
ピ~~ンポ~~ン
「え?」
「どうした。まずはベルを押す。ここから始めるのが礼儀だろ」
「うん。そりゃあピンポンダッシュとかするよりかはましだが、いきなり押すか?」
なんでチャオ研究所という素晴らしい施設にベルがついているんだとか
そういう疑問がある人もいるだろうが、そこらは設計者に問いつめていただくことにして
そうこうしているうちに白衣を着た人が出てきた。女性。しかも美しい。
「えっと、なんですか?」
「ライトカオスをくれ」
いきなりか。ほら、美しい女性の目が点になっているぞ。おい。
「あの、あなたは…?」
「お前は誰だ」
まずお前から名乗れよ!
こんな夜遅くに押しかけて、ライトカオスをくれだなんて唐突に言う側が名乗らないでどうするんだよ!!
「え、え…?」
「ええい!もう帰るぞ!!どうもお騒がせしました!すみませんでしたー!!」
「あの…!」
強制帰還。いいんだ。これでいいんだ。
というか、これ以外の選択肢はない。
あったらそれは確実に悪い方向へと行くだろう。
家。
やっとのんびりとできそうである。
しかし、機嫌を悪くしたのかさきほどからやつは無言である。
「………」
「ふぅ、なんとか丸くないけど収まった…」
「………」
「全く、もっとまともな頼み方をしろよな」
「………」
「おーい、なんか返事しろよ」
「全く、なんてことを…」
「いやいや、あれじゃあ絶対ライトカオスを触れることすらできないぞ」
「仕方がない。明日また行くか」
「もう行くな!!」
俺がゆっくりと休める日は当分来ないようである…。