~第九章~
キエル「コレで終わりだァッ!」
レオス『キエル選手、ゼロ選手に殴りかかるーッ!勝敗は決したかッ!?』
・・・フッ
キエル「・・・!?
き、消えたッ!?なッ、ど、何処に行った!?」
レオス『!!う、後ろだあァァッ!!」
キエル「な、なにィィィッ!?」
俺はスッ、とキエルを指差し、笑いながら言った。
ゼロ「コレが俺の切り札・・・カオスコントロールだ!」
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レオス『こ、コレは驚きッ!なんとゼロ選手、いつの間にかキエル選手の背後を取っていたァッ!』
アルジカ「うむ・・・これは」
レオス『会場全体が一気に沸くーッ!ゼロ選手、すごい技を引っさげてまいりましたッ!」
アルジカ「・・・・・・」
キエル「ば・・・バカな・・・いま一体、何が起こったんだ・・・?」
さすがに驚きを隠せないようだ。目を真ん丸くしてこちらを見ている。
こいつのこの顔がおかしくてたまらない。
ゼロ「ヘッヘッヘ~、お楽しみはこれからだぜぇ?」
俺は顔の前で指を左右に降らした。
ゼロ「そらァッ!「カオススピア」ッ!」
俺がそういいながら腕を右に振る。
キエル「カ、カオススピアぁ?」
おろおろしているキエルの周りに、黄色い無数の「槍」が出現する。
そして、キエルに襲いかかるッ!
キエル「う、うわぁぁぁッ!」
キエルが、舞台の上を走り回る。その様子がおかしいのなんのって。
俺は心の中で転げまわった。しばらくすると、槍が出てこなくなり、キエルはその場に倒れこむ。
キエル「い、今の・・・ハァ・・・ハァ・・・な・・・何?」
ゼロ「おっ、全部よけきったな。教えて欲しぃかぁ?ん~?しゃーない、教えてやろう」
キエル「・・・(ムカツクッ!!)」
俺はキエルを見下し、腕を組む。
ゼロ「さっきお前に見せたのは、切り札その壱!カオスコントロールだ!
そして今見せたのが切り札その弐!カオススピアだ!」
キエル「・・・(何で切り札がそんなにあるんだよ・・・)」
レオス『ゼロ選手!強力な切り札を用意してまいりましたッ!』
アルジカ「いやぁ、彼は一体何処であんな技を会得してきたんでしょうねぇ?」
実は俺は、あの修行のとき、カオスコントロールのほかに、いろいろな技を覚えてきたのだ。
キエル「な、なかなかやるじゃないか・・・だが!その程度で僕を倒すなんて100年・・・」
早いってか?
ゼロ「それはこっちのセリフだぁーッ!」
俺は殴りかかってきたキエルに、叫びながら飛び蹴りをお見舞いしてやった。
キエル「ガッ!」
キエルはそのまま飛んでいき、この舞台を取り囲んでいる人工芝の上に落ちた。
レオス『キエル選手場外ーーーッ!!第一回戦、勝者はゼロ選手ーーーッ!!!』
アルジカ「いやぁ、いい仕事してますね(?)」
俺は拳を空高く突き上げ、大歓声の中舞台を降りた・・・。
第一回戦、勝者ゼロ!