第一話







「おい、急げよ!今日はついに『あの日』だぜ?」
「わかったよ、そんなに大声出さなくてもわかってるって!」










ここはかつてソニック達が守り抜いた地球。しかし、それはもうかなり何十年も昔の話。
今、この星ではチャオ達はかなり進化した。人間並みに話せるようになったり、自分たちで自分たちの世界を創ろうという「自己意識」が芽生えた、いわば「感情を持つチャオ」達になっていたのだ。

そしてチャオ達の独立運動が進み、地球ではなく宇宙にコロニーを作り、そこに移住しても構わないという政府の決定により、チャオ用のコロニーがつくられていた。
名前は「セプトコロニー」。


コロニーが完成して1ヶ月後・・・・




「諸君!我々『チャオ』達はついに宇宙に自分たちのコロニーを持った!これは大変すばらしいことである!
このコロニーの完成をめどに、我々チャオ達はもっと繁栄しなくてはならない!
見よ!この大地を!見よ!この環境を!まさに我々チャオ達が独立するのにふさわしいではないか!
諸君、私とぜひともこのコロニーをすばらしくするように活動をはじめようではないか!」



「・・・なんだよ、これ」
青くてユニコーンの角パーツが似合うチャオが言った。このチャオが主人公「リディア」である。

「・・・・このコロニーの主権を握る人だよ。名前はブラッドラウだってさ。」
リディアのそばにいた同じくユニコーン角のチャオが言った。こっちの名前は「ウェルナー」である。

二人はテレビから聞こえてくる演説を見ていた。どうやら独立記念にコロニーの代表が喋っているらしい。
「フン、このコロニーの実権を握ってるからって調子に乗りやがってよぉ!」
リディアが怒ったように言い放つ。
「まぁ、いつ決定したのか知らないけどこのチャオが地球で言う『だいとうりょう』みたいなものなのかな?ボクにはよくわかんない。」
リディアの怒りをなだめるような口調でウェルナーが喋る。
「とりあえずまだやることが残ってるんだ。ウェルナー、来てくれ」
「わかったよ、行こうか」


2人が向かった先は「セプトコロニー治安維持局」だった。
その治安維持局の中にある、偵察からスパイまで幅広くの任務をこなす「セプトコロニー隊」という特殊部隊で2人は雇われる事になっていたのだ。

「では、これがコロニー隊の隊員を証明する身分証明書です」
「さんきゅー!おねーさん!」
「もぅ、『ありがとうございます』だろー?」

コロニー隊のカウンターで証明書を受け取り、リディアは大喜びした。
ウェルナーはそんなによさそうな顔もしていなかったが、嫌そうな顔もしなかった。
帰り道でリディアは喜んで機嫌がよくなっていた。

「おい、ウェルナー!これで今日から俺たちは特殊部隊だぜ!」
「しっ!こんな街中で『ボク達は特殊部隊です!』って高らかに宣言してどうするのさ。一応秘密なんでしょ?これ。」
「おっと、そうだったー。悪ぃ悪ぃ」
「(大丈夫かな、こいつ・・・)」


リディアが浮かれて走り回っていると、1人の大柄なチャオにぶつかった。
目つきの悪いそのチャオはリディアを睨みつけてこう言った。

「気をつけろコラァ!」

あまりの見幕にリディアはすくんだ。
「わー、ごめんなさいごめんなさい!ほら、リディア!謝りなよ!」
「・・・・、すまねぇな」
「もう、そんな謝り方はないでしょう!?」

すると大柄な目つきの悪いチャオは二人を睨みつけてこう言った。
「・・・見逃してやる。だが、次にもし同じことがあったら命はないと思え。」
そういうと路地裏の方に行ってしまった。
ウェルナーはその時、大柄なチャオの腕に豹が飛び掛るマークがあるのに気付いた。
・・・何かが怪しいなぁ
そう思いながらも二人はそれぞれ家に帰った。

その夜、ウェルナーはなかなか眠れなかった。あの飛び掛る豹を見るとどこか悪い気分になる。それにあの気配・・・

ボク達「チャオ」とは違う。どこかが違う。雰囲気?態度?・・・
そうだ、気配だ・・・。あの気配はチャオのものとは・・・違う・・?
まさかあいつは、チャオのカタチをした全く別の・・・生き物・・なのか?・・・





第一話 終わり

このページについて
掲載号
週刊チャオ第113号
ページ番号
1 / 10
この作品について
タイトル
~石の記憶~
作者
まさ
初回掲載
週刊チャオ第113号
最終掲載
週刊チャオ第117号
連載期間
約29日