-1−2 ルグアンジュとギラースパイク-
「こんな豪華な武器・・・頂けませんよー」
「いえいえ。お礼です。そんな倉庫にあったような武器じゃあなた達の活躍が見られませんよ」
「んじゃー、頂きます!」
「ちょ、リオ!? マリアンド様に何言われるか分からないんだよ!?」
「ふふ。 お嬢さん、心配しないで下さい。マリアンドの方には私から言っておきますから。」
「ほら! だから、貰っとけ!」
リオに押しつけられた鞭を渋々受け取り、まじまじと眺めるカナ。
その鞭は、使っていた物と全く違う。
ふふ、と笑みをこぼしてしまうほどだった。
「気に入って頂けて、嬉しいですよ。」
「俺らも、こんなに良い物貰って嬉しいですよ」
「また何かあったら遠慮せずに言って下さいね。」
「お言葉に甘えさせて頂きますね。」
そういうと、リオとカナはライアクレを後にした。
カナとリオが所属する兵は、港町、ナルビクにある、ルグアンジュという兵に入っている。
そこの司令官がマリアンド。容姿は単に言えばゴツいチャオ。
金とピュアのハーフだとか。
宝石を身にまとい、いつも秘書と一緒にいる。
「リオー」
「・・・ぁ?」
「ワープゲート、登録した?」
「お前がするとか言ってたじゃねーかよ!」
「アタシそんなこと言ってないもん!」
「言ってましたー」
結局の所、登録してないらしい。
ワープゲートは、広い広いアノマラド王国至る所にあり、
わざわざ歩かなくても、ワープゲートでひとっ飛び。みたいな。
登録してないとなると、ライアクレからナルビクまで、歩かなきゃならない。
その道中には、モンスターはもちろん居る。
カナとリオは、歩いて、走ってナルビクに逝くことになる。
もちろんいやがるのはカナ。
「疲れるー!」とか「ポーション買っとかなくちゃー!」とか騒いでる。
「うっせーよ」
「む、ひっどーいッ。 好きなあの子に嫌われるよ?」
ポカッ
「痛ッ!!!!」
他愛の無い話をしながら平原を抜ける。
風を切り裂く音と、鋭く舞う音。 そして散る音が響く。
風が止み、ふ、と前を見たところに、2匹のチャオが居た。
一匹のチャオは帽子を被っている。 手には細く、長い剣を持ち、
もう片方のチャオは手にたばこを持ち、大きな剣を背負っている。
茶色のコートがなびいていた。
リオが見つけた2匹の特徴。カナが構えた鞭。
2匹は、ルグアンジュの敵、ギラースパイクだった。
ナルビクはアノマラド王国の中心だった。
仕事や依頼は全てナルビクに来る。
昔、それらをこなしたのはルグアンジュで、平等に行っていた。
しかし、そのやり方に気にくわなかった、ギラー・・・ギラースパイクの司令官は、
新しく兵を作ったのだ。
仕事を取り合い、会えば敵対する。
兵で居る限り、仲良くすることは許されない。
もし、求める物が一緒でも、どちらかに軍配をあげなければならない。
それが、2つの兵の指名。