-1−1 剣と鞭をつかうチャオ-


 「私から頼みたいのは、この町、ライアクレで有名なお茶を作る、葉を採ってきて欲しいのです 葉は、この町を出たすぐの森にあります。」

 「そんぐらい、このリオン様にかかれば30秒で終わりますよ」
 「アンタには無理よ。日が暮れるんじゃない?」
 「んだよ! んな事ないって! くっそ~・・・」
 「では、失礼します。」


大木に造られた町、ライアクレ。
この町に、大きな港町、ナルビクから兵として借り出され、毎日ポイント稼ぎに依頼を受けに行く2匹のチャオがいた。

青いツヤツヤで、大きな剣背中にしょっている、目立つチャオは、リオ。
その隣に居るピンクのツヤツヤ チャオはカナ。腰にポシェットをぶら下げ、中には武器が入ってると思われる。
騒ぎつつ、お茶の葉を集めに行く2匹。


森に着くと、うす気味悪い、というより明るい森で、鹿が出てきそうな森だった。
こんな所にも、モンスターが居る。
油断大敵。一心不乱。 そんな目つきをしているのはカナ・・・ではなく、リオだった。剣を構え、今か今かと待ちかまえている。

 「・・・おい」
 「なぁにー?」
 「仕事しろっつーの」
 「だってさぁー・・・居ないじゃん?」
 「油断大敵だっつー・・・」


 「の!!!」


リオの言うとおり、カナの後ろにはモンスターが迫っていた。

 ザシュン!!!

音を立て、響き渡った剣の音。モンスターは風に散り、
音は周りのモンスターを刺激した。
次々と草陰から現れる。

 「リオのせいだよ!? んもー・・」
カナは渋々ポシェットから武器を取り出した。 鞭だ。

しかし、二人は兵の割に豪華な武器ではない。リオは普通の剣、カナも革の鞭だ。

武器なんてどうでも良く、せかせかとお茶の葉集めに没頭した。



30秒 いや、5分後ぐらいか。
二人は怪我1つせず、沢山のお茶の葉を抱えてきた。

「こ、こんなに・・ ありがとうございます」
「いえいえ どーいたしまして!!」
「お礼と言ってはあれですが・・ コレをお受け取り下さい」

カナに渡されたリオと同じぐらいの大きな紙袋。 重さは結構あって、ガサガサ、と小物の様な音はしない。

「あ、ありがとうございます。開けてみて、良いですか?」
「うふふ、どうぞ。 お気に召されれば良いんですけど・・」

ガサ、と音を立て、クリスマスプレゼントを貰ったかのように食らいつく二人。

「うわぁ、スッゲー!!!!」
「こ、こんなの貰って良いんですか??」

二人が貰ったのは、大きな光る剣と、しなやかな鞭だった。

このページについて
掲載号
週刊チャオ第158号
ページ番号
2 / 3
この作品について
タイトル
古の宝石
作者
すたぁ(夕麻神流,梨紗☆浩生)
初回掲載
週刊チャオ第158号