第3話 それが真実なら
今すべきこと――第3話 それが真実なら
某時刻 道路
「で?検討はついてるの?」
車の助手席に座っている女性が運転しているキルムに話しかける。
「・・・・そこだ。」
キルムの指差した場所は廃墟のビル。今となっては珍しい。
二人は車から降り、廃墟ビルの中に入っていった。
そこにはツバメが散乱していた。
「なるほどね・・・・。」
キルムがツバメを見ながら言う。
「へ?」
「ツバメの巣はな、とても高く売れる。しかも容易に取れるものじゃない。」
「え?だから何なの?」
「ここのような廃墟のビルはツバメが住み着きやすいんだ・・・・ってこんな話して
いる場合じゃない。」
二人はビルの奥へと進み、カモメの洗礼(フン)にもあった。
運よく【水道】があったものの、びしょ濡れだ。
「あー、もう最悪!」
「・・・・・。」
さらに階段を上がると、もうカモメは居なくなった。
「もう少しだ・・・。」
そして最上階。
「誰もいないじゃない・・・。」
確かに誰も居ない。しかしビルは暗く、2,3メートル先は見えない。
「人の気配を感じるな・・・。」
「キルム!!」
暗闇の中から現れたのは・・?
「ティラ!!」
「誰?」
「俺の友達・・・ん?」
キルムは顔を渋くした。無論・・・。
「ハッ!」
キルムはティラの腹を思いっきり殴った。もちろんティラは倒れこむ。
「な・・・・なにしてんのキルム!?」
「・・・・・。」
続く