一番言うのが難しい言葉。

ソニックが歩いてくる。
チャオも歩み寄る。
やがて二匹は意気投合して歩いていった。

自分にはとうてい無理だと、諭してみる。
あんなに開放的に中をよくすることは出来ない。

自分はある人のいった言葉を思い出す。
「自分のために守ったものは価値がなさそうに見えるが、
 他人のためにものを守るとそれが自分の命に思えてくる。」
誰にでも連帯感はあるのだろうかと思う。
チャオだったらどうなのだろう。

「ねぇ、君」
試し聞いてみる。するとチャオは、
「何?何の話をするの?」
と歩み寄ってきた。

ああ、自分には相手を危険視してしまう。どんな相手でも。
何の危険だろうというと「孤独」だろうか。

話しかけて、もし無視されたら・・・
たまったものじゃないと思う。それはそれは。
この子に、そんな危険はあるのだろうか?

そのような趣旨の質問をすると、
「いや、僕は誰でも笑顔で話しかけるんだ!
 友達にならないなら、それでも良い。
 ただ、僕は此処に居るんだよと言うのを見せたいんだ!」
子どものような発言。
でも、今はこの子を見習わないと駄目かもしれない。

色々な種族から迫害を受けてここに住んでいるチャオ達。
どのような感情を持ったのだろう。
色々な人々から感謝されているソニック。
どのような感情を持ったのだろう。

結果的に、この2つは構われたのだ。
そして、今の子どものような感情を持った彼らは、
幸せだと思うかもしれない。

あるチャオが言った。「ある種族は俺たちに敵意を持ったが、
一緒に酒を飲んだりと楽しくやった。」
嫌われて居る中にある感情。「仲良くしたい」という感情。
このチャオ達やソニックはそれを敏感に受け取った。

だから、チャオは迫害を耐え抜き、ソニックもみんなに答えているのかもしれない。
だとしたら、自分にもそういう感情はあるのだろうか?

そう問いかけたところで考えを辞めた。止めざるを得なかった。
チャオが抱きついてきたから。
「何してるの?速く遊ぼうよ!」
無邪気に問いかけてくる。

自分は奥の感情を出すことにした。そして自然に、
「仲良くしようね!」と言った。

この言葉を出すのは大きくなれば成るほど難しいかもしれない。
でも、出さないと自分だけが孤独になる。
そう、これは自分たちに隠された最後のカギだと思う。
このいまの時代に対しても、だ。

05/6/4 緑茶オ

この作品について
タイトル
一番言うのが難しい言葉。 
作者
それがし(某,緑茶オ,りょーちゃ)
初回掲載
週刊チャオ第168号