第四夜 悲しいさだめ
彩花は、黒ずくめの五人組―、TKI(チャオ研究委員会)に今起こっていることについて、話を聞くことにした。
「では、簡単に話そう。今起こっていることは、我々にもいまだ分からない。しかし、起こっていることを真に受け止めるならば・・・それは、チャオのよみがえりだ。」
「よみがえり・・・?」
「そうだ。それも、この地域に限って、今のところ、六十一匹の死んだはずのチャオが確認されている。」
「推定、百匹というところだな。」
彩花は、自分の後で誰かが泣いている声を聞いた。
「彩花・・・」
チャチャは、涙で濡れた顔を上げた。
「ぼぐは・・・ぼぐは死んじゃってたチャオか?」
「・・・!」
彩花は、驚きと困惑の入り混じった顔をチャチャに向けた。
「おい、このチャオは、自分が死んだことを知らないのかい!?」
そのときだった。
バタッ・・・
「チャチャ?チャチャ?」
チャチャは、急に意識を失い、倒れてしまったのだ。
―――――何分経っただろう。彩花とTKIの五人はそのままの状態で座っていた。
「・・・ん、チャオ・・・」
チャチャが、薄目をあけたのだ。
「チャチャ、ああ、良かった!」
彩花は、チャチャに抱きついた。
しかし、チャチャの目はうつろなままである。
チャチャは、やっと口を開いた。しかし、その声は倒れる前のチャチャの声とはどこか違っていた。
「・・・みんな・・・帰る・・・」
「チャ・・チャ?」
「・・・一ヵ月後の満月の晩・・・みんな帰る・・・」
「帰るって・・・どこへ?」
「あるべき場所へ・・・」