特別編 ~記憶の輪舞曲 4~
俺は、真実を求めずにはいられなかった。今も、昔も。
~記憶の輪舞曲 「真実」~
ゼロ「おいおい・・・ちょっと待てよ。暗すぎるぞ?」
俺は今にもこの町全体に打ち上げ花火でもやりたいほど暗い場所にいた。
せめて打ち上げ花火じゃなくてもいいから照明が欲しい。
ゼロ「・・・?誰か来る。」
俺はそこらの壁に隠れた。そしてそこを通ったのは・・・。
ゼロ(・・・俺?)
そこを通ったのはまさに急いだように走っているチビな俺。更に銃を持っていた。
ゼロ「・・・おいおいマジかよ・・・。何するつもりだ?」
俺はそのまま距離をあけ、追跡した。ストーカーでもしてるようでならなかったが。
そいつが立ち止まった場所は、裏通りの少し奥。その頃にはチビ俺が血まみれになっていた。
なんせ、途中で邪魔をしてくる人間やらチャオやら殺しまくっていたからだ。
・・・う~怖い。
(ゼロ)「・・・いいかげんついて来ないで。君も殺すよ?」
ゼロ(・・・気付いてたか。)「やめとけ、俺を殺すと、将来生きていけないぞ?」
(ゼロ)「チ・・・やるか!?」
カチャ
ゼロ「・・・やるか?」
俺同士の周りには霧がたちこめていた。両者銃を構え、目が睨み合う。
・・・実際、やりあう気はさっぱりないが。
(ゼロ)「・・・やっぱやらない。」
ゼロ「・・・そか。」
両者、銃を下ろした。・・・実際、下ろした方が良いのだが。
(ゼロ)「誰?」
ゼロ「お前。」
(ゼロ)「?」
ゼロ「俺はお前、お前は俺。」
(ゼロ)「???」
ゼロ「・・・わかりゃしねぇか。」
(ゼロ)「分かる気も無い。」
ゼロ「ハハハ。・・・で、なんでこんな所まで来てるんだ?」
(ゼロ)「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
ゼロ「・・・ほら、黙ってねぇで、言ってみろ。」
(ゼロ)「探してる奴がいる。」
ゼロ「ふうん。で、誰?何て奴だ?」
(ゼロ)「・・・フット。」
ゼロ「・・・・・・・・・・こりゃ驚いたな。」
(ゼロ)「へ?」
ゼロ「俺も探す。文句あるか?」
(ゼロ)「んな・・・首突っ込むなよ!」
ゼロ「言ったろ?俺はお前、お前は俺だって。」
(ゼロ)「・・・。」
ゼロ「俺さ・・・お前みたいな奴・・・見捨てられないんだ・・・。」
(ゼロ)「・・・え・・・?」
ゼロ「別に、ヒーロー気取ってる訳じゃないんだけど・・・助けたくなるんだ・・・。」
(ゼロ)「・・・余計なお世話だよ・・・。」
ゼロ「・・・これ位は言わせろよ・・・。」
ゼロ「困ってる人とか、苦しんでる人とかってのは・・・見捨てるんじゃないぞ・・・?」
・・・何喋ってんだ?俺は。狂ってんのか?この台詞ってさあ。
俺の脳裏によぎった物じゃねえかよ・・・。
何だ?俺が俺自身に言った台詞なのか?だとしたら俺ってスゲエバカじゃねえかよ・・。
俺自身に言った台詞なのに、俺自身に殺されかけた様なモンだ。ありえねぇ程バカじゃねえかよ。
俺はそんな思考をかき消そうとさっさと奥に進んだ。実質、かき消せないような出来事だが。
そして、いまだそんな思考をかき消せないまま、奥についた。