第1話
自然の真ん中―
そこには―
一人の少年がいた―
ここは名もつけられていない森である
しかし、自然の美しさだけは、どこの森にも負けなかった。
少年の名は“リノ”
空の雲をそのまま描いた(えがいた)ような、真っ白なソニックチャオ
リノ「森林浴は、気持ちいいなあ・・・」
毎日この森に来て、一人で遊んでいるリノ。
その孤独な姿を見ると、友達がいるとは思えない。
普通の子はチャオ幼稚園に通うが、リノは通わない。
―勉強 必要ない なにより友達もいない 仲間もいない そんなとこに、僕は必要ない
独り言のように毎日つぶやくリノ。
そのとき、森の奥に、リノと同じヒトリを見つけた。
ニュートラルパワー2次進化。
しかし普通ではなかった。
むきだしの牙、刃のように光る角、不自然に赤く光っている目。
しかしリノは気にしなかった
同じヒトリを
やっとのことで見つけられたのだから
きっと僕の気持ちをわかってくれる
リノは声をかけた
「友達になろうよ」