~飛翔~(後編)

10日目以降

「シッポ。不本意ながらも
 お前のヒコウのアビリティはAだと言う事が判明した。」
「だから?」
「今日からは実戦に入る!!」
「わかった。」
「ちがう!!アイアイサーだっ!!」
「ア、アイアイサー・・・」



「いけ!!そうだ!!」

「羽をはばたかせるんだ!!」
「(羽って・・・・・)」

「お前は頑張れば飛べるんだ!!」

「大空に行きたいかー!!」
「(なんのパクりだよ・・・・)」

「お前は飛べるはずなんだ!!」
「ナックル・・・残念だけど
 理論が通じない時もあるんだよ。」
「理論がなんだ!!
 そんなもんお前がブチ壊せばいいじゃないか!!」

「今のお前なら絶対に飛べる!!自分を信じるんだ!!」

「お前は実は強いんだ!!
 いつまで心と言う壁の中にいるつもりなんだよ!?」

「そうだ!!飛べ!!」



クリスマスイブ・・・

「な~に?ナックル。見せたい物って」
「コッチチャオ、ツイテクルチャオ」

テイルスがナックルについていった先には
きれいにコ−ディネ−トされたチャオガ−デンがあった。

「うわ~、ナックル、これどうしたの?」
「アッチミルチャオ!!」
チャオガーデンの滝の一番上の所に、
確かにシッポがいた。
「え?シッポ!?」
「(テイルス、僕はもう1人前だよ!!)」
タン・・・
小さく、それでいて軽やかで、
確実な一歩とともに、
一匹のチャオが宙を舞った。

「シッポが・・・飛んだ・・・・」


そして・・・・
「ナックル・・・僕はもうチャオの森に行くよ・・・・」
「ああ・・・誰もお前は止めない、どこへでも行くがいいさ」
「ありがとう・・・・ナックル・・・」
シッポが行こうとしたその時・・・

「シッポ~!!待って~!!」
「(テイルス!?)」
「これ、リズムブロ−チとジェットアンクレット」
「テイルス?ナンデクレルチャオ?」
「へへ・・・
 なんか僕に憧れてるみたいだから、作ってみたんだ!!」
「アリガトウチャオ・・・・」

僕の頬を何かが流れる・・・
ナミダ・・・・
見ればテイルスも泣いている・・・・

「テイルス・・・」
僕はテイルスに抱き着いた。
そして、僕はチャオの森に行くのをやめた。

チャオの森に、いくら幸福があっても・・・・
この「愛」よりはないだろうから・・・・
END

このページについて
掲載号
週刊チャオ第84号
ページ番号
3 / 3
この作品について
タイトル
~飛翔~
作者
ルミエール(サリリン, 瑠莉)
初回掲載
週刊チャオ第84号