~飛翔~(修正版前編)

僕は、シッポ。
つやつやテイルスチャオだ。

僕の御主人様は、僕に似ている。
テイルスって言うんだって。
名前も似ているや。

僕は気がついたらこのガ−デンにいた。
昔、どこにいたのかなんて興味ない。
だって、僕には御主人様がいる。
御主人様さえいれば、僕はもうそれでいい。

僕は珍しいチャオらしい。
だから、僕は虐められる。
目立つやつがいると、みんなは虐めたがる。
でも、御主人様が守ってくれる。

御主人様は、僕を可愛がってくれる。
僕はそんな御主人様が好きだ。

ある日、虐められ仲間のナックルが言った。
「おまえ、くやしくないのか?」
「え?」
「くやしくないのかって聞いてんだよ」
「ああ、虐められてる事?
 そんなの、御主人様が守ってくれるから平気さ!!」

僕がそう言うとナックルは顔をしかめて言った
「そうじゃなくてさ・・・・」
「じゃあ、いったいなんなんだよ?」
「おまえ、本当に可愛がってもらってると思ってんのか?」
「え?」

僕は驚いた。
なぜ、そんな事を聞かれるのだ?
毎日餌をもらい、
毎日なでてもらってる。
これを可愛がってもらってないと言うのか?

ナックルは続ける
「オレの飼い主は、餌をくれる、
 なでてくれる、そして・・・小動物をくれる」
「小動物?」
「ああ、オレ達の能力があがるんだ。
お前の飼い主は・・・くれないんだろ?」

僕は思い出した。

最初にこのガ−デンに来た時
いじめっこ達に言われた言葉。
そして・・・・
御主人様に言われた言葉を・・・


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「おい、おまえテイルスチャオだろ?」
「うん」
「じゃあ、何でテイルス見てーにとばねーんだよ?」
「ちょっと、レイン!!
 しーっ!!シッポに気づかれないようにしてるんだから!!」

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「ナックル・・・」
「あん?」
「僕・・ずっと騙されてたのかな?」
「さあな、でもよぉ・・・」
「何?」
「もうすぐ、クリスマスだろ?」
「あと約2ヵ月後ね」(今は10月らしい)
「ほっとけ!!だからよぉ・・・
 テイルスにプレゼントしないか?」
「え?」
「おまえは『え?』が多いんだよ
 クリスマスに、もう一人前だって事を証明して
 チャオの森に行ったらどうだ?」
「チャオの森・・・・」

一度行ったらかえって来れない・・・
しかしそこは楽園だと言われる・・・
チャオの森・・・

「下手に疑うよりそのほうがいいんじゃないか?」
「・・・」

つづく

このページについて
掲載号
週刊チャオ第84号
ページ番号
1 / 3
この作品について
タイトル
~飛翔~
作者
ルミエール(サリリン, 瑠莉)
初回掲載
週刊チャオ第84号