ライトカオス記念読みきり「光」


その日以降、光輝は、その迷子か何かわからないチャオと遊んだ?空き地に何度も行ったがそのチャオの姿は見当たらなかった・・・。

そして月日は流れ
10年が経った・・・。


梅雨が明けた7月の中頃
「はぁはぁ・・・。」
光輝は走っていた(18歳、高校三年生
終業式が終わり急いで家に帰る途中だ。
「はぁ、今日は、はぁ、チャオを見に行かない、はぁ、といけないからな・・・。」
光輝はこの夏休みに入る前日の今日、この日にチャオを育てることにしたのだ。
この10年以上続くチャオブームの時代に今頃、何故と思うかもしれないが
彼は幼い頃、家で4年前に育てていたチャオが2年前に死んだのだ。
そして、その1年後、歳の離れた弟が産まれたのだ。名前は敏輝
敏樹が産まれ、いなくなったショックは大分無くなった。
そして敏樹にチャオと言う友達を作ってあげるのと、自分がもう一度育てたいと思った光輝は育てることを決心したのだ。
「はぁはぁ、もうすぐだ・・・、はぁはぁ・・・、ん?」
光輝は空き地を通り過ぎると同時に何かを見つけ後退した。
すると空き地にチャオが一匹いるではないか。
「チャオ・・・?何でまたこんな所に・・・。」
光輝は早足で近づいた。
すると足音に気付いたチャオが振り向くと同時に・・・。
「チャオ~!」
逃げ出した。
「え?お、おい!待てよ!」
追いかける光輝、逃げるチャオ。
空き地で円を描きながら、逃げるチャオに追いかける人。
スタミナはもちろんチャオが先に切れた。
段々と失速していくチャオ。
光輝はそのチャオに追いつき、後ろから抱き上げる。
「そんな、いきなり逃げるなよ。よしよし」
そう言って撫で始める光輝
ふにゃ~んとした表情のチャオ
「・・・、お前捨てチャオか?」
「チャオ?」
首を傾げポヨを?にするチャオ
そして考える仕草をした後、言葉の意味を理解し、伏し目がちに頷いた。
「そうか・・・。あっ!、そうだお前、家に来ないか?」
「チャオ?チャオ~・・・。」
とまたも考える仕草
『こいつは何を考えてるんだ・・・?』
と光輝が思っているといきなりチャオが暴れだし、降りた
と思ったらいきなり手を挙げたハーイと言い出した。
「そうか!じゃあ行くか」
光輝がそう言うと、チャオを抱き上げ家へと向かった。


光輝は家に帰り開口一番
「ただいま~」
「おかえりなさい」
と母親が奥から、そう返した。
靴を脱ぎ、家に上がり、抱えていたチャオを降ろす。
居間に入ると母と弟の敏輝がいた。
「光輝、チャオ見てくるんじゃなかったの・・・。ってもう貰ってきたのね。」
「捨てチャオだったんだ、だから連れて帰ってきた。」
「そう、ちゃんと育ててあげるのよ」
「わかってる、それよりチャオ、敏輝に会わせていい?」
「ええ、いいわよ。そこでオモチャで遊んでるわよ」
光輝とチャオは敏輝に近づいていくと、こちらに気付いた敏輝がハイハイで近づいていった、そしてチャオも。
「うーうー」
「うーうー」
「・・・、平和だな・・・。」

次の日、チャオ研究所に連れて行ったら、2歳と言う事がわかった。




そして俺とチャオ(名前は『シャイン』に決めた)の慌しく、楽しい平和な日々が始まる。

このページについて
掲載号
週刊チャオ ライトカオス記念号
ページ番号
1 / 4
この作品について
タイトル
ライトカオス記念読みきり「光」
作者
銀チャオ
初回掲載
週刊チャオ ライトカオス記念号