第7話 死亡フラグぷんぷん丸
「やはり伝説と同じ勇者の素質を持つ者であったようだな」
王チャオは満足げにうなずく。
ソニクサも今ほどの自身の必殺技を顧みれば、自分が特別な力を持った存在であることを認めざるを得なかった。
「勇者ソニクサよ、貴殿はこれよりこの世界を救う旅に出なければならぬ。それこそが勇者の使命というもの」
ソニクサは気分が高揚していくのを感じた。
まさかただのそっくりさん芸人だった自分がチャオになれば勇者とは。
この世界のソニックになれちまうのかもしれないな。
「おーけー! 世界なんていくつでも救ってやるぜ!」
「それなら海路を行き、南の大陸を目指してみてはいかがでしょう」
とアイちゃんが提案した。
その意図を尋ねるように王チャオがアイちゃんに視線を向けた。
「先ほどの必殺技、おそらくは今後ソニクサの味方となるチャオたちの姿が現れたものと思いました。であれば最初の仲間はこの私、アイちゃん。そして次の仲間は南の大陸にいるヒーツという者なのでしょう」
「もしそうだとすると、さっきナグ・ケールってやつを跡形もなく消しちゃったんだが……」
「ふうむ、なるほど。さすがは騎士団長アイであるな。そなたの推測のとおり、四人の仲間を集めるのが先決であろうな」
「聞いてねえなこいつら」
「では騎士団長アイよ、そなたは勇者の右腕となって共に旅をし、世界を救うがよい!」
「その君命、必ずや果たしてみせます!」
こうして騎士団長アイちゃんがソニクサの仲間になった!
「これからよろしくね!」
「お、おう……」
二人が握手をすると同時に兵士チャオが駆け込んできた。
「て、敵襲~~!!」
「またかよ!?」
兵士チャオは敵について報告をおこなう。
今度はナグ・ケールのような一人の野蛮な侵入者ではない旨が語られた。
軍隊である。
隣国の兵士が攻め込んできたというのだ。
「結構最悪なタイミングじゃないか?」
とソニクサはアイちゃんに言った。
この城の防備はナグの攻撃によってボロボロである。
敵国が攻め込むには絶好の機会だろう。
「よもや先ほどの侵入者のことを知っていて、攻めてきたのでしょうか……。まさかナグ・ケールは敵国の傭兵だった?」
「それで敵の軍勢はいかほどなのだ?」
「敵は5万の兵士を引き連れてこの城の眼前まで迫ってきています!!」
ははーん、さては詰んだな?
勇者ソニクサはここに至り、死を覚悟するのであった。
つづく!
大変なことになりました!
ソニクサとアイちゃんはこのピンチを脱することができるのか!?
次回を期待してください!
感想もください!!待ってます!!!!