ヒーローになりたくて　1

チャオが集まる楽園、チャオガーデン。
ここに遊ぶこととテレビを見ることが大好きなやんちゃなチャオがいました。
名はタロウ、オスです。

どうやらタロウは今日もまたテレビを見ているようです。

『がははは！今日こそこの町をのっとってやるぞ！』

『まて！今日もでたな！怪人ワルモーノめ！』

『またでたな！チャオマンめ！』

『ワルモーノ！お前のやっていることはたとえオテント様が許してもこの俺チャオマンがゆるさない！チャオチャオパーンチ！』

『ぐはあ！やられたー』

ドカーン

『正義は必ず勝つ！』

チャオマンは右腕を上にあげてポーズをとった。

タロウはテレビの電源を切りました

「やっぱりひーろーはかこいいちゃお！タロウもちゃおまんみたいなひーろーになるちゃお！」

どうやらタロウはヒーローに憧れているようです。
とんでもないことをしでかさなければいいのですが・・・

「うーん・・・でもどうやってひーろーになればいいちゃおか？エンチョーセンセーにきいてみるちゃお！」

こうして何故か園長先生のところに聞きに行くことになりました。


・・・とは言ったもののそんな事を園長先生が知るわけも無く、ものの数分で追い返されてしまいました

「どうすればいいちゃおか？」

タロウは悩んでチャオガーデンとヒーロー、ダークガーデンを繋ぐ場所にいました。
するとそこに闇の取引所の闇チャオが現れました。

「どうした、チビ、何か悩んでんのか？」

タロウはポヨを！にするとこう返しました。

「ひーろーになりたいちゃお！」

闇チャオはポヨを？にするとすぐ！にしました。

「ヒーローねぇ・・・けへへへ・・・いいもんがあるぞ、チビ」

闇チャオは掃除用具箱・・・否、闇の取引所をあさり、なにかを出してきました。
ベルトの様になっています。
そのベルトを右腕に持ち、上にあげました。チャオマンのポーズです。

「これがあればあなたもすぐにヒーロー！医者チャオ共同開発『ヒーローニナレルノダー』！！」

「おおおおおおおちゃお！」

タロウは目を輝かせます。
これで自分もヒーローになれるのかと心がウキウキしてしまうようです。

「この医者チャオ共同開発ベルトは特別特価！！69,800リングポッキリ！」

「・・・」

「どうした？チビ」

「・・・たかすぎるちゃお」

タロウはうっすらと目に涙を浮かべていました。
今にも泣き出しそうです。

「・・・うーん・・・そうだなぁ・・・！、いいこと思いついたぞ！・・・へっへっへ、明日またこの場所に来い」

「わかったちゃお」

そう二匹が話している時、後ろで黄色い影が盗み聞きしていました。
そう、黄色い体に二本の尻尾、テイルスです。

「どういうことだろう？・・・うーん・・・医者チャオ・・・まさか！！タロウが危ない！」

テイルスはそういうと二本の尻尾で空を飛び、チャオ幼稚園に向かいました。
チャオ幼稚園についたテイルスは他の部屋には目もくれず保健室に入っていきました。

・・・そのころタロウはガーデンにもどり、うろうろしていました

「あしたちゃおか・・・それまでひまちゃおねぇ・・・うわちゃお！」

タロウは足をすべらして池に落ちてしまいました。

「うわちゃお！」

タロウは必死にもがいて岸につきました。

「おぼれるところだったちゃお・・・くしゅん！」

どうやら池に落ちたせいで風邪をひいてしまったようです。

「あうー・・・さむいちゃおー・・・ほけんしつにいくちゃお・・・」

そういうとタロウは保健室に向かいました。
チャオ幼稚園につくとなにやら保健室の方で声が聞こえてきます

「あの『ヒーローニナレルノダー』っていうのはなんだ！どういう仕組みなんだ！」

「へっへっへ、こりゃいかんですなー、あれに深入りすると痛い目みますよ」

医者チャオは手（腕？）を口に当ててへっへっへと笑います。

「多分あれはチャオの性質を変えてしまう科学物質かなにかがベルトをつけてしまうと注射されてしまう仕組みだな！！」

医者チャオはその言葉を聴いて笑うのをやめます。

「・・・こりゃいかんですなー、そこまでわかっていたとは」

何か変な展開になってきたのでタロウは保健室の扉を少しだけ開けて中を見ます。

「それとあのテレビ、チャオマンはああなりたいという願望を引き出すためのもの、それでチャオたちになにかしようとしてたんだな！」

「・・・こいつをつけると俺の命令を聞くようになる兵器になるんだがなー・・・しょうがないですねー・・・」

医者チャオは『ヒーローニナレルノダー』を装着します。
タロウは今までの話が理解できていません、ただ、あれをつけるとマズいということだけは理解できたようです。

「変身、チャオマン」