+++ヒーローガーデンのヒミツ 1+++

ここはヒーローガーデン。
先日、新しいチャオが生まれた為、今はそのチャオの世話をする時間が生活の大半を占めています。
これは、その日常のあるひと時を書いたお話。

シエル「あっぷあっぷ!」
シエルという名のコドモチャオが湖で溺れていました。
ハピル「あっシエル!」
泳ぐのが得意なハピルは、急いでシエルを助けに行きました。
ルスト「大丈夫か?二人とも」
ハピル「あ、大丈夫だよ!…よっと、シエル、湖は気をつけてね」
シエル「はぁーい」
シエルは手を上げて答えました。
それを見つつ、ハピルはある疑問を持ちました。
ハピル(あ、そういえば…)
考えても分からないので、聞いてみることにしました。
ハピル「ねぇ、ルスト君!あの湖の向こうの扉みたいなのって何なの?」
ルストは少し思案顔になり、そのあと首を振りました。
ルスト「それは知らないな。調べてみるか?」
ハピル「あ、うん」
3人は、扉の前に立ちました。
ルスト「どうやって開けるんだ…?これは」
ハピル「うーん…」
シエル「えいっ」
シエルは、扉の中央を蹴りました。
ギギ…
ハピル「あ…開いた……」
ルスト「えらく簡単だな…」
扉が完全に開いてから、3人は奥へ進んで行きました。

シエル「くらいのー」
ハピル「確かに…真っ暗ね」
扉の向こうは通路のようになっていて、中を照らす物は何もありません。
ヒーローガーデンから差し込んでいる僅かな光が、足元を辛うじて照らしている程度でした。
ルスト「先が見えないな…」
入り口から大分歩いた為、ヒーローガーデンからの光も届かなくなってきました。
目の前はもう真っ暗です。
3人は壁に手を付き、ゆっくりと進んでいくことにしました。

暫く歩いていると、もう辺りを照らす光は届かなくなってしまいました。
ハピル「なんか…怖い」
風鳴りが、まるで幽霊の呼ぶ声のように聞こえました。
ルスト「ほら、ちゃんと皆いるから、進もう」
シエル「はぴる、だいじょーぶ?」
ルストとシエルは、ハピルの手をそれぞれ握りました。
ルスト「並んで行けば安心だろう」
2人が心配してくれるので、ハピルは感謝の気持ちを込め、
ハピル「うん、ありがと」
と言いました。

このページについて
掲載号
週刊チャオ第268号兼GW&ライカ記念特別号
ページ番号
1 / 2
この作品について
タイトル
ガーデンのヒミツ 外伝 +++ヒーローガーデンのヒミツ+++
作者
神崎揚羽(紅黒梓)
初回掲載
週刊チャオ第268号兼GW&ライカ記念特別号
最終掲載
週刊チャオ第269号
連載期間
約10日