第三十五話

ハルツ「なるほど・・・そういうことか・・・そうだ、忘れていたが、大変な事があった。コバルトがいなくなったのじゃ!」
シグマ「何だって!?」
ハルツ「コバルトの部屋が破壊され、隊員が気付いた時にはそこにコバルトはいなかったとの事じゃ。」
ファントム「(今お前達の記憶を覗かせてもらったが・・その修行する為のバーチャル空間の完成を急いだ方が良いようだな・・)」
エクサ「そんな事もできるのか!?」
ファントム「(ああ。お前達の戦いの記憶も見た。やはり修行をしないとダークエンジェルズとやらには勝てないだろう。)」
フェザー「ところでファントムさんは戦いに行くまでどこで暮らすんだ?」
ファントム「(ここしかあるまい。バーチャル空間に俺も入るが、それまではここに寝泊りさせてもらう。)」
ハルツ「まあ・・・いいか・・」

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第三十五話:修行開始

あれから7日後・・・・

―GCAの基地―

ジャンゴ「それにしても・・・・まさかファントムが生きていたとはな・・・」
ファントム「(ケインが死んだのは残念だったが・・・)」

ファントムはジャンゴに自ら事情を話していた。今シグマ達はGCAの研究室内に作られたバーチャル空間の入り口、ワープルームに来ていた。
ワープルームの中はチャオ15匹分ぐらいの広さがあり、その中にシグマ達はいる。

シグマ「・・・で、誰が誰に修行を受けるんだ?」
ファントム「(それは俺が決めよう。)」
ジャンゴ「そうか、お前にはチャオに秘められた能力を読み取る力があるんだったな。お前が決めてくれ。」
ファントム「(よし。まずは俺とジャンゴだが、現実世界の俺達と昔の仲間が会うと色々と厄介だ。ジャンゴと俺は組んで修行する。)」
ジャンゴ「分かった。」
ファントム「(次にエクサ、お前には銃を扱う高い素質が備わっているが、それを遥かに上回る他の素質が見える。そうだな・・スティグマに修行を受けるといい。)」
エクサ「はい!」
ファントム「(オミクロン、お前にも闇の力とは別の力が見える。むしろその力の方が本物にも見える。ジャンゴに修行を受けろ。)」
オミクロン「・・・・・・・」
ファントム「(シグマ、お前には更なる力の素質が見える。ライトに修行を受けろ。)」
シグマ「はい。」
ファントム「フェザー、お前には今持つ力と併用できる力が見える。ケインに修行を受けろ。)」
フェザー「あ・・・はい・・」
ファントム「(スプラ、お前には今の力を吸収する力の素質が備わっているように見える。バーチャル空間の俺に修行を受けろ。)」
スプラ「・・はい。」
ファントム「(最後にザルメス、お前には過去の時代に生きた生物の力が秘められているようだ。ハルツに修行を受けろ。)」
ザルメス「(マジかよ・・・よりによって博士って・・)はい・・・」
ファントム「(以上だな。ではジャンゴ、フェザーと俺は他の誰とも重ならない遠くにワープするようにしてくれ。他の奴等もそれぞれの修行相手の場所にワープするように設定してくれ。)」
ジャンゴ「分かった。」

ジャンゴはワープルームの壁に付いているコントロールパネルに設定を入力した。

ジャンゴ「さあ、これで皆それぞれの場所にワープするはずだ。では説明を始めるぞ。
このバーチャル空間の中では修行の効果が2倍になる。これで修行が終わる頃にはダークエンジェルズにも対抗できる。
あと、一度入ると設定した一年間は外に出られない。食事はバーチャル空間では腹が減らないはずだから、取る必要はない。食欲も出ないだろう。
説明はこれだけだ。では、ワープマシン起動!!!」

ウオオォォォォン・・・ビシュウウウン!!
次の瞬間、ワープルーム内にいたシグマ達は消えた。

彼らの戦いはこれからが本番だ・・・



第三十六話に続く

このページについて
掲載号
週刊チャオ第301号&チャオ生誕9周年記念号
ページ番号
50 / 52
この作品について
タイトル
~平和という名の終着点~
作者
アール
初回掲載
週刊チャオ第284号
最終掲載
週刊チャオ第302号
連載期間
約4ヵ月7日