第十七話

―ハルツの家―

ワープマシンから出てきたシグマ達は、すぐに近くにあった椅子に座った。

シグマ「俺たちは、何の為に戦ってるんだ・・・・?」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

第十七話:迷い


エクサ「世界平和の為じゃねえのか・・・」
シグマ「今思ったんだが・・・別に俺たちがやる必要は無いんじゃないか?GCAにMCA、それにSCAIだっている。コバルトさんもいるしな。」
エクサ「ああ。俺たちが居なくても代わりはいるさ。」
フェザー「おい!何言ってんだ!あれぐらいの事で落ち込むなよ!」

シグマとエクサは椅子に座り、俯いていた。フェザーは椅子から立ち上がり、二匹を説得しようとしている。

ハルツ「おい!皆!NTSのまだ襲撃されていない住宅地にメタルチャオが現れた!このレーダーを見ろ!」

ハルツはシグマ達の所に駆け寄り、両手で持てる位のレーダーを持ってきた。

ザルメス「!ここは俺達の家がある場所じゃないか!」
フェザー「博士!何体居るんだ!メタルチャオは!」
ハルツ「住宅地の北部、西部にそれぞれ30体だ!北部にはGCAの中隊が向かった!お前たちは西部に向かえ!」
シグマ「フェザーとザルメスで行けよ・・・」
エクサ「ああ、俺もパス。」
フェザー「おい!行かないのかよ!NTSがどうなってもい・・・」
ザルメス「いくら説得しても無駄だ!行くぞ!フェザー!」
フェザー「あ、ああ・・」

ザルメスは外に出て行った。それを追いかけるように、フェザーも後ろめたそうな顔をして出て行った。

ハルツ「どうした、二人とも。」
シグマ「戦う気を無くしたよ・・」
エクサ「俺もだ。シグマ。」
ハルツ「・・・・・一度帰るんじゃ、シグマ、エクサ。」
エクサ「ああ。そうするか。」
ハルツ「但しシグマは今の家じゃなく叔父の家にかえるんじゃ。」
シグマ「分かった。ワープマシンを貸してくれ。」
ハルツ「いいぞ。」

シグマはワープマシンのスイッチを押してワープマシンを出し、中に入りワープしていった。

エクサ「俺も帰るか・・・」

エクサは天井の穴から垂れ下がっている梯子につかまり、外に出て行った。


 ―さようならの森―

注:ここからはシグマ、エクサ、フェザーとザルメスの話が同時進行で進みます。全員の時間は連動していると思ってください。


いつも通りさようならの森の地上の空間に穴が開き、そこからシグマが出てきた。

シグマ「なんだ・・・ここは家のすぐ近くじゃないか・・」

シグマが出てきたのは叔父と住んでいた家の近くだった。ここは結構森の奥の為、NTSの街は見えない。
シグマは暫くの間歩き続け、叔父の家に着いた。

シグマ「ここはメタルチャオが来てないみたいだ・・どこも壊れてない。」

叔父の家は木造のログハウスだが、3階建てでかなり大きい家だ。形は別に特徴的ではない。

シグマ「さて、入るか。鍵はどこに持っていたっけな・・」


  ―エクササイド―

NTSの住宅地の南部にエクサの家はある。シグマが叔父の家に着いたのと同じ頃にエクサも自分の家に着いた。
エクサの家も3階建てで、周りの家と比べると結構大きい。

エクサ「ここもいつメタルチャオが来るか分かんねぇな・・」

エクサは家の鍵を開け、中に入っていった。

―フェザー、ザルメスサイド―

フェザー「くそ!二人も居ないと流石にきつい!」
ザルメス「三本角とはいえ16体もいると面倒だ!」
フェザー「必殺技は使うな!まだ別の場所に14体いる!」

フェザーとザルメスは三本角16体と戦っていた。
二匹はメタルチャオ16体に囲まれ、かなり不利な状況だ。

ザルメス「(くそっ・・いま残りの14体が来たら確実にやられる!)」
フェザー「何とか耐えろ!そのうちGCAが助けに来るはずだ!」

フェザーとザルメスはこのピンチを切り抜けられるのか!
そしてシグマとエクサは再び立ち上がることができるのか?



第十八話に続く

このページについて
掲載号
週刊チャオ第290号
ページ番号
26 / 52
この作品について
タイトル
~平和という名の終着点~
作者
アール
初回掲載
週刊チャオ第284号
最終掲載
週刊チャオ第302号
連載期間
約4ヵ月7日