半透明

半透明の僕をすかしてみれば

僕の仲間しか見ることは出来ない

そして何処にあるかも知らない遠い空も

半透明は実が見えない

ある意味それは物理的におかしいこと

だから僕はその時考えた

僕たちチャオ以外は全て嘘ものだと言うことを

僕は嘘の中で生きている?

否定できない自分がもどかしい



いつも僕たちがおいしそうに食べる実も

いつも気持ちよく寝れる芝生も

所詮偽物?

僕たちは嘘に塗り固められた自然で暮らしているの?

誰にも聞けない自分がもどかしい



こんなことを考える僕は頭がおかしいのかな?

僕だけは違うチャオなのかな?

否定してくれない人がいないことが悲しくなる

こんなことを考えていたある時の午後



でもやっぱり睡魔に襲われていく、僕

この太陽はもしかしたら、いや、確実に嘘ものだろう

でも、やっぱりこの太陽が一番落ち着ける

どうせ、みんながこれを本物というならば

たとえ嘘ものだとしても

これらは本物としてあり続けていく

それで良い

・・・あぁ、眠たい

少なくともこの睡魔が嘘ものではないことは分かっている

それで良い

この作品について
タイトル
半透明
作者
それがし(某,緑茶オ,りょーちゃ)
初回掲載
週刊チャオ第213号