はじめてのちいさな冒険 つづき。
つづきです。
わざわざつづきまでよんでくれてありがとうございます(オイ
いったい、ここはどこでしょう?
気がついたら、ぷちているは、青みをおびた紫色の半透明のキレイな石の柱と壁が、鍾乳洞のように部屋を作り出しているようなところに─上を見上げれば、あの泉のきれいな水が見えます─そう、泉の真下へきていたのです。
この石の色を、ぷちているは、どこかでみたことあるような気がしたのです。でも、どこで見たのかよく覚えていません。
くすくす。
どこからか、かすかな笑い声が聞こえてきます。
茶目っ気のあるその笑い声は、石の部屋の中で響き、ぷちているの耳(どこにあるかわからいけど)に入ってきました。
そして、急に目の前に、ココの石と同じ色をした、ゴルフボールみたいな表面のチャオ─ムーンチャオがあらわれたんだから、もうびっくりです。
でも、そのムーンチャオは、普通のとは違って、あの石と同じようにちょっとすきとおってます。
くすくす。
こんどは、はっきりとした声で、ムーンチャオが笑います。
そして、ムーンチャオはいつのまにかぷちていると鼻がくっつくほど近くによると、まだくすくすわらいながら言いました。
「君はほんとにおっちょこちょいだね。時計も見ずにそとにかけだすなんて。しかも今までちっともそれに気づかなかったんでしょ?」
ぷちているは、またポヨをはてなにして首をかしげます。
こんどは、ムーンチャオはぷちているの周りを旋回しながら言います。
「しかも、みんな泉にさらわれた、なんて思うなんて。爆笑モノじゃない?」
まだ、ぷちているは首をかしげたままです。
「しかも、周りが暗いのにも気づかないなんて。まったく、僕が会ったチャオの中で、一番おっちょこちょいだよ。」
そこで、ぷちているはピンときました。
「もしかして・・・今は・・・6時にもなってないの?」
「6時!?それどころじゃない。まだ5時にもなってないって。」
ムーンチャオは、もう、おかしくてしかたがないともいわんばかりにわらいながら答えました。
「君、昨日の夜、目覚まし時計を合わせ間違えたんでしょ?だからさ。みんな4時なんかにおきてもいないよ。泉が町のみんなをさらうなんて、そんなわけないだろ?」
ムーンチャオにそういわれて、ぷちているは、こくりとうなずきます。
「コレから気をつけるんだよ。ほら、飼い主さんが心配してるかもしれないから、もう帰ったほうがいいよ・・・・」
もう、そこには、ぷちているの姿はありません。
ムーンチャオだけが、ぽつんととりのこされています。
ムーンチャオは、姿を消─すまえに、何かポツリと言い残しました。
「明日は、レストランとこのチャオを夜の8時まで寝坊させてみよっかな・・・・・」
朝の光と共に、小鳥のさえずりが聞こえてきます。
森の川のせせらぎも、その先に続く滝の音も、心地よく吹く潮風も。
何もいつもと変わりありません。
ぷちているは、そんな朝を迎えました。
なにか、寝ている間にヘンな夢を見たような気もしましたが、どうしても思い出せません。
それでもぷちているは、時計も見ずにバネがついたように飛び起きて、顔も洗わずに外へすっとんでいきました。
今度は、ちゃんと町のみんながいます。
おひさまも、ちゃんとのぼったみたいでした。
~Fin~