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―ならば貴様を試すが先

―貴様が変わった その証拠を 見せろ


証拠だって?

なるほど まだ貴方は私をなめているのか

なら誠意を持って言うぞよ

―私は神だ どんな犠牲も惜しむことがない神だ 神は最上の位  この力持ってこそ どんな輩でも力で粉砕することができよう  天下を取ることども簡単であろう  全て私が奪える  何もかも  そう 貴方の命でさえもな


どうだ これで わかったろう

力を かえせ

―なら一度貴様に 神の力を戻そう しかし 授かった神の力で 私を粉砕することができようか? できるのならば 世界全て 貴様のものになるのも 口答えができんが





一瞬にして体に安らぎが帰ってきた

力が戻った

さて 言ったとおり 貴方を粉々に粉砕してみましょう




粉々になり 塵(ちり)のように舞う 貴方はなんとも無様な姿になったのだ  

さて 颯爽 私は世界を頂こう 文句はないのだろう すでに姿なき 無様な「元」神よ




―なるほど 貴様はそれを 神というか


なに まだ生きているというか 力が有り余っていたか 次は息の根を止め―


―貴様にとってそれを神と言えるのだな


息が できない 体が 締め付けられる

取り付きし者・・・  まさか

―やはり私が思ったとおり 神失格だ

―犠牲を惜しまない そう言った貴様は もう 生きる資格はないな

―その姿 どこが神なのか  100年も時間をかけて出た答えがそれとは 全く 呆れたものよ



どういうことだ 貴方は私をハメたのか?

どういうことだ 貴様  やはり息の根を―


―言ったろう 貴様は生きる資格がないと  







血と共に真っ赤に照る満月に

真っ白な兎のチャオが上っていくと

まるで兎の真っ赤な目のように 満月は消え去った



赤き月照る満月の夜  その赤き姿を見ることができたのならば

貴方は兎を目にするだろう  生か死か どちらに進むのかは

貴方次第だ


このページについて
掲載号
週刊チャオ第222号
ページ番号
2 / 2
この作品について
タイトル
::犠牲::
作者
レル(リュイ)
初回掲載
週刊チャオ第222号