ここは、人工の、チャオガーデン。このチャオガーデンは、小さな家の中。窓もついている。

でも、ちゃんと家の中にはきれいな水もあって、環境もいい。チャオにとっては、ここはけっこう居心地がよかった。
ここが家の中だということを忘れてくれれば・・・・

僕が、一番育てていた、そして可愛がっていたのは、白いソニックチャオ、『スノゥ』。

どうして『スノゥ』だけ一番育てるの?
それは、・・・・・・・僕の友達は、『スノゥ』だけだから。

僕のチャオは、一匹しかいないから・・・・・・


スノゥは、窓の外をいつも見たがる。でも、窓はスノゥよりもちょっと高いところにある。

スノゥは、ガーデンにある木のてっぺんに乗って、窓に向かって飛び立つ。そして、窓に激突するんだ。

「外にでたいんだろうなぁ。でも、ごめん。ダメだよ。」

スノゥは、窓に頭を何度もぶつけた。窓をぶち破ってしまおう、という気持ちで・・・・・・・

「ほら、大丈夫か?」

スノゥは、頭によくけがをしながらも、毎日毎日、窓に頭をぶつける。

「チャオォーーーッ!!」

スノゥは、窓を力いっぱい押し始めた。

「スノゥ、無理だよ。鍵がしまっているんだ。」

「チャオオオォォーーーーーーッ!!!」

スノゥは、僕を無視して、押した。まるで雪によばれているようだった。そう。窓の外は、スノゥと一緒で、白く美しい、雪。スノゥは雪にあいたいのだ。

「無理だって。そこの鍵はかかっているし、窓は氷っていて、僕の力でも開けられないんだよ。」

すると、一瞬、全てがピカっと光った。

そして・・・・・・・

ピシャァァーーーーーーン・・・・・・・・・・と雷・・・・

「あぁ、驚いたぁ。スノゥ、びっくりしただろう。大丈夫か?」

そこに、スノゥの姿はない。

窓があいていた。鍵は勝手にあいていて、そして、氷っていた窓も、氷がとけていた。

「あ・・・・あ・・あ・・・・・スノゥーーッ!!!」

僕はいそいで窓から顔を突き出した。

「スノゥは外にでるのは初めてだから、勝手に帰ってくるはずはない。しかも、この大雪じゃ、遭難して、凍え死ぬかもしれない!!!」

僕は玄関というところを忘れ、小さな窓からギュウギュウと外へでた。

「どうしよう・・・・・・こんな大雪で、しかもスノゥは白いチャオだから・・・・・・わからないよ・・・・・」

2に続く

このページについて
掲載号
週刊チャオ第152号
ページ番号
1 / 4
この作品について
タイトル
長編読みきり ~銀世界への足跡~
作者
雷神(プラズマ)
初回掲載
週刊チャオ第152号