『格闘大会3』
そして、決勝戦の相手。
チャスリートチームという、前大会優勝者を倒したチームらしい。
ノーマルタイプのチャオのリーダーの「チャスリート」
フライタイプのチャオの「シュン」
スイムタイプのチャオの「コーリィ」
さっき、こいつらの試合を見たが・・・
なかなか強い、幻闘術まで使って無傷で優勝チーム倒しやがった。
さて・・・どうなることやら。
二つのチームは闘技場に入場した。
その時、ヴァンの動きがおかしくなった。
ヴァン「ぁ・・・やべぇ。」
メルト「? ヴァンさんどうしましたか?」
ヴァン「いや、あの・・・俺、ちょっといいか・・・?」
というと二人は何かこそこそ話し始めた。
会場がざわつく・・・。
一体なんだ・・・?
そして会話が終わったかと思ったら・・・。
メルトが俺達のほうを向いた。
そう思うと、いきなりこっちの方にメルトは飛んできた。
ジェイド「ちょ!?うぇぇ!?」
メルト「お嬢様、お話が・・・。」
フィル「なにかしら?」
ちょ!お前ら!普通に会話すんな!!
周りのやつら驚いているじゃねぇか!!
フィル「なるほど。しかたないわね・・・。」
ジェイド「どうした?」
フィル「ちょっと、ヴァンにとって都合の悪いことが起こったから、ヴァンは棄権するってこと。かわりにあんたでなさい。」
・・・・・・なんだと?
ジェイド「ちょっと待て!?なんででないといけないんだよ!?」
フィル「だってヴァン無理で、出る相手いないもの。しょうがないじゃない。」
ジェイド「だからって俺か・・・?」
フィル「案の上、大会は何かあった時ように、選手交代ありだからでなさいよ。
確かにこの大会は、誰かが次の試合出られなくなったときなら選手交代ありとなっているが・・・(転生してしまったり、傷が深かったりなどがあるため)
俺がでるのか・・・
フィル「・・・嫌ならいいわよ。ピューマにも出させる訳にもいかないし、私がでるわ。」
メルト「お嬢様!!それはいけません!!」
あああぁぁぁぁぁぁああああああ!!もう!!
ジェイド「分かった!でるから!お前はおとなしくしとけ!」
結局でることになった。
・・・・・・・・・・・・・・最悪だ。
そんなこんなで試合開始
ちなみに名前はヴァンの偽名・・・シャインを使うことになったが、大丈夫なのだろうか・・・?
俺はどっちかというと・・・相手を翻弄してカウンターを狙う戦法で戦う。
俺のじいちゃんが戦闘を教えてくれたから少しは戦えるが・・・。
正直、じいちゃんと正反対だな・・・俺の戦い方。
しかも決勝で俺みたいな弱いやつがでるなんてな・・・。
俺の相手はフライタイプのチャオのシュンさんって人が相手なんだが・・・。
かなり飛ぶ動きが早く滑らかな動きをしている。
急上昇してから、急降下して俺に蹴りを入れようとする・・・。
たまに俺以外の味方にも一緒に攻撃しようとするから、かなり攻撃範囲が強い。
しかも・・・・・・・
シュン「ウインドショット!!」
ジェイド「ちょ!?」
やっぱり幻闘術使ってきやがった!!
とっさに避けたが、少し風圧が来て吹き飛んでしまった。
メルトさんに受け止められたから大丈夫だったが・・・こえぇなこれ・・・。
ジェネリクト「さて・・・。僕は水中にいけないからなぁ・・・。」
ジェネリクトさんはスイムタイプのチャオのコーリィを相手していたが、
水中からいきなり飛び上がってきて、口から水を噴出してジェネリクトを攻撃し始めた。
ジェネリクト「うおぉ?これは凄い・・・。幻闘術でもないのにこれだけの攻撃をするなんて・・・。」
感心しながら、水の攻撃を避ける。
しかも外れた水の攻撃が当たった部分は少し削れている。
凄いが・・・ジェネリクトさん、感心している場合じゃないですよ・・・。
コーリィ「まだよッ!」
ジェネリクト「・・・・・だけど・・・その戦い方だったら、こっちは簡単に勝てるけどね。」
コーリィ「ぇ?」
アイスブレス
ジェネリクトさんはそう唱えると・・・・・
湖が凍った・・・当然相手も凍ってしまった・・・。
ジェネリクトさん・・・怖いな・・・。
ジェネリクト「まぁ、死なないようにしたから大丈夫だよ。」
いや・・・本当だろうか・・・。
と、ここで俺が初めて相手のシュンさんに蹴りを喰らわせることに成功した。
これはうれしい・・・が、またおそってきたああああああああああッ
とっさに避ける・・・怖い怖いッ
司会者「いやぁー、シュンさんの飛行の動きが見事ですねぇ~!」
解説者「これは、チャオの中でも飛行能力は一番といっても、過言はないんじゃないんでしょうか?」
フィル「・・・・・・・・。」
ピューマ「・・・フィルさ・・・ん?」
いきなり立ち上がったフィルを見たピューマは不思議そうにフィルを見ていたが・・・。
フィルは司会者と解説者のいるところまで、既に飛んでいっていた。
羽の音を聞こえさせない、瞬間的な飛行だった。
目の前に現れた仮面をつけたフィルを見て、驚く司会者と解説者・・・そして観戦者。」
フィル「なに寝ぼけてるのあんた達。あの程度で一番だったら、たかがしれてるわよ。」
司会者「は・・・はぁ・・・。」
メルト&ジェイド「早く元の場所に帰ってください!(帰れ!)」
そんな二人のつっこみがきたので、しぶしぶ変えるフィル・・・。
あいつは落ち着いていられないのかよ・・・。
チャスリート「せいや!!」
メルトさんの相手をしているチャスリートは、格闘が得意らしい。
メルトさんを上手く追い詰めて、素早く連携的に殴ったり蹴ったりして、こっちに攻撃をさせないプレイ。
メルトさんはそれを避けたり、受け止めたりして避け続けている・・・。
メルト「・・・さすがですね。」
チャスリート「そりゃどーもッ!」
急にチャスリートの拳から炎が出て、メルトを襲った。
幻闘術である。
しかし、メルトはその攻撃を、メイド服のポケットの中から取り出した扇子で、扇いで吹き返した。
そしてメルトは天空に向かって、手を上げた。
そして・・・気付いた時には・・・
そして辺りはすぐに夜になり、月光がメルトを照らしていた・・・
司会者「これは・・・何が起こっているのでしょうか・・・。」
解説者「・・・月光の・・・・・メイド?」
そう・・・メルトは月光のメイドである。
メルトはトランプを取り出すと、チャスリートに一枚投げつけた。
手裏剣のように飛び、チャスリートの腕に刺さる。
チャスリート「ぐおおおぉぉぉ・・・・・。」
その瞬間、チャスリートの首にトランプがつきだされていた。
メルトがすぐ目の前にいて、構えていたのである。
メルト「・・・降参してくれませんか?」
チャスリート「・・・・・かないそうにないな。
・・・・・わーったよ、降参だ。」
チャスリートさんは両手を挙げて降参のポーズをとった。
話が分かる人でよかったな・・・。でないと、これ以上暴れるのもやばい気がするしな。
後は、シュンさんを倒すだけなんだが・・・?
その時俺が見たのは・・・頭にトランプがささって転生しようとピンク色の繭に包まれていった、シュンさんの姿だった。
苦しそうに地面に倒れていた・・・メルトさん、いつシュンさんに攻撃したんだろうか・・・。
ジェネリクトさんは、湖にいる氷で固まっていたコーリィさんを幻闘術を上手く使い、地上へ運んできていた。
コーリィさんが転生しないあたり、本当に手加減したんだろう・・・。
チャオは死にそうになると、転生しようとするからな・・・。
白繭だと死んでしまうけどな。
ただ、転生防止薬を飲んでいる場合は別なのだが・・・死んだら死ぬのが確定してしまうからだろう。今回の大会にそれを使用してしてるチャオは見かけなかった。
なにはともあれ・・・これでおしまいだ。
疲れたぜ・・・。
そして、閉会式・・・トロフィーをメルトが受け取って、そこにフィルが飛んできた。
フィル「さぁ、野次馬が来る前に・・・・・皆逃げるわよ!!」
いきなりそんなこといってきた。
俺以外の仲間・・・フィルはトロフィーを持って跳んで逃げ、メルトはピューマさんを抱えて逃げ、ジェネリクトは風の幻闘術を使って空を飛んで逃げ、ヴァンは楽しそうに走って逃げた。
ジェイド「ちょ!お前らああああああああああああああ!!」
もちろん全力疾走で俺は逃げた。
人ごみの中、かきわけてかきわけて闘技場から抜け出した。
あいつら・・・俺だけおいて逃げやがって・・・ッ
走ってる時、後ろから罵声が聞こえてきたが無視して走り続けた。
捕まったらどうなるか分からないもんな・・・。
結果屋敷に逃げ切ることができた・・・。
もう二度とこんな思いしたくないな・・・。
次の日
新聞に格闘大会の記事がのっていた。
謎の仮面集団、優勝。
メイド服を着たチャオはありとあらゆる道具を操り、
本を持ったチャオは、なんと普通は一人1,2属性くらいしか操れないはずの、幻闘術6属性全てを操り、
瓢箪を持ったチャオは片手で木を持ち上げるというかなりの強力であり、
決勝最後に瓢箪を持ったチャオと交代し、登場したスピード系のチャオは攻撃を軽やかにかわしカウンター攻撃を食らわせていた。
更に、その仲間である大会に参加していないチャオの飛行タイプらしきチャオは、背中にはえている羽の音もさせずに、瞬時に司会者と解説者のところに飛んできたので、驚いていた。
圧倒的に強く、会場全体が見とれていた・・・。
が、トロフィーをもらった瞬時に逃走した。
そのためチャオたちが何者か誰も知らない・・・・・情報望む
ピューマ「うわー。新聞にのってるのですー!すごいのですー!」
フィル「あぁ、凄いわ・・・。あんた達最高よ。」
ジェイド「おかげでこっちは疲れたけどな・・・。まったく、お前ってやつは・・・!」
フィル「うるさい、黙れ。」
今日もまたこうやって、俺の反論を軽くあしらわれるのであった。
はぁ・・・もういいか・・・。
これが、この屋敷のお嬢様の暇つぶしなんだから、どうにもならないのだろう。
メルトさんが注いできた紅茶は、格別においしく今は思えた。
第十話「格闘大会」 終わり