『格闘大会2』
ヴァン「ん~?格闘大会?」
ジェネリクト「僕らででるのかい?」
フィル「そうよ。あなた達がでるの。てか、でなさい。」
わがままなやつだなぁ・・・。
ヴァン「あたしはう~ん・・・。ちょっとなぁー・・・。」
ヴァンがそうやって悩み始めた。
格闘が得意そうで、そして暴れたそうな人なんだが・・・。
なんか駄目なことがあるのだろうか?
フィル「あぁ。あんたのことなら大丈夫よ。大会出る時は全員偽名にするし・・・・・それに・・・。」
フィルがいきなり食堂にあったテーブルの下から、何か隠していたものを取り出した。
・・・おいおいまさか・・・・・。
フィル「これをつければ・・・ばれないわよ。」
一気に悪い予感しかしなくなったのであった。
大会本番
チャオティックルーインにある大きな闘技場
普段は野球やサッカーなどの競技が行われている。
だが格闘大会の時には、野球やサッカーができるような環境でなくなる。
チャオの特性を生かすために、湖や岩や木・・・空を飛ぶ能力も生かすためか高低差をつけた闘技場につくりかえされていた。
司会者「それでは皆さん。健闘を祈ります。」
どこでもあるような開会式も終わり、俺達参加しないメンバー・・・俺とフィル、それにピューマは観客席の方で座っていたのだが・・・。
いろんな人がこっちをじろじろ見て、こそこそ何か話している。
・・・無理はない。
ジェイド「・・・おい。やっぱり目立ってるぞ。」
フィル「でも、誰だかは分からないはずよ。」
ピューマ「ふぇぇ・・・。」
ジェイド「あのなぁ・・・。」
俺達はチーム名をスターチームと名づけて登録したんだが・・・。
俺達が何でこうも目立ってるのかというと・・・。
司会者「それでは第一回戦!バンバルアチーム対スターチーム!開始!」
解説者「いやーッ バンバルアチームはパワー、スピード、フライとバランスがとれていそうですが・・・・・スターチームは一体何なんでしょうかねぇ?」
司会者「謎の仮面をつけているチーム!しかも一人は何故かメイド服をきています!これは何かありそうだー!」
俺達のチーム全員・・・金色にめちゃくちゃ光る仮面を顔につけていたのだ・・・。
こうすることによって、確かにいろいろとばれなくなるかもしれないが・・・。
これは凄く目立つだろ・・・。
しかもメルトさんはメイド服まできてるというのに・・・。
フィル「ばれなきゃいいのよ。ほら、始まるわよ。」
ジェイド「へいへい・・・。」
さて、大会の始まりだ・・・。
ちなみに偽名で3人の名前は登録されている。
メルトは『スター』
ジェネリクトは『シャイン』
ヴァンは『ムーン』
と名づけてる。
ちなみにこれを考えたのは、もちろんフィル。
なんでこういうことをする時にいろいろ考えるのは得意なんだろうねぇ・・・。
メルト「では、シャインはフライタイプを、ムーンさんはパワータイプをよろしくお願いします。」
ヴァン「あいよー・・・っていっても・・・。」
ヴァンは近くにあった木を・・・・・
ヴァン「すぐに終わりそうだけどねぇ・・・。」
片腕で引っこ抜いた。
パワータイプのチャオ「なんだ・・・!?」
ヴァン「せーの、どっせい!!」
パワータイプのチャオは真上から振り下ろされた木に直撃・・・。
恐怖で足が立ちすくんでいたのだろう・・・かわいそうに。
パワータイプのチャオは苦しそうに地面に這いつくばっていた。
フライタイプのチャオ「ちょ・・・待て!なんだこれ!?」
ジェネリクト「炎檻っていう炎の幻闘術ですよ・・・。降参した方がよいとおもいますけどねぇ・・・。」
フライタイプのチャオは炎の檻みたいなのに包まれて、動くにも動けない状況だった。
おいおい・・・・・。
メルト「皆さん早いですね・・・。後は私ですね。」
驚いているスピードタイプのチャオに向かってナイフを投げた。
ナイフは顔のすぐ隣を通って、後ろの岩につきささった。
さらに投げる、更に投げる。
投げて投げて投げて投げて投げて投げて投げまくる。
一体そのメイド服からいくつのナイフがでてくるつもりだ・・・。
スピードタイプのチャオ「あ・・・が・・・は・・・!?」
メルト「すみません、私たちはあまり戦う気はないんです。皆さん降参してくれませんか?」
スピードタイプとフライタイプのチャオは一瞬反応できなかった。
それだけじゃない・・・闘技場にいるチャオ全員反応することができなかった。
辺り一面静かになる・・・。
メルトは一度ため息をつくと、再びナイフをスピードタイプのチャオと、フライタイプのチャオに向かって投げつけた。
二人とも顔のすれすれをナイフが飛んでいき、血が少し流れる・・・。
スピードタイプのチャオ「ハッ・・・!」
メルト「もう一度聞きます・・・。降参してくれませんか?」
スピードタイプのチャオ「わわわわわ、分かりましたぁ!!」
フライタイプのチャオ「あ・・・うあ・・ぁぁ・・・・。」
なんという光景だ。
俺は静かな会場の中、こっそりとため息をつくのであった。
フィル「さすがねあの子達。」
ジェイド「さすが過ぎて、他のチャオがかわいそうだぜ・・・。」
フィル「いいじゃないの。相手が弱いのが悪い。」
ピューマ「凄いのですよ~。」
現在・・・決勝戦である。
既に4回戦って来ての決勝戦であるが・・・。
・・・あまりに圧勝過ぎて、相手がかわいそうである。
無理もない・・・この屋敷の住人の強さはチャオにしてはおかしすぎる。
あたりの観客者も、同じ仮面をつけている俺たちを見てこそこそとなにか話している・・・。
頼む、帰っていいか俺・・・・・。
ジェイド「ピューマさん・・・大丈夫ですか?」
ピューマ「え?なにがですか~?」
ジェイド「いや、どう見てもこの状況・・・周りのやばい感じで怖くないんですか?」
ピューマ「・・・あ~。忘れてました・・・。メルトさん達が凄かったので・・・。」
怖いです~・・・といって、また震え始めたピューマさん・・・。
なんでこんなにかわいらしい人なんだ・・・。
司会者「さて、ついに最終戦です・・・。こんなことが想像できましたでしょうか・・・?」
解説者「正直・・・おふざけチームだと思っていたんですがねぇ・・・。」
フィル「誰がおふざけよ。」
ジェイド「どう見てもふざけてるだろ。こんなかぶりもん見たこともないわ。」
そんな会話を繰り広げていた。
司会者「さぁ!決勝戦です!」
解説者「いやぁー楽しみですねぇ。」
司会者「対戦チームは、謎の仮面をつけたスターチーム!もう一方は前回の大会の優勝チーム、バロジックチームを倒したチーム!チャスリートチーム!!」
解説者「前回優勝チームを倒しただけあって、チャスリートチーム優勝なるか!?それとも、突如現れた謎のチームが勝つか!?」
熱い司会者と解説者の会話を聞きながら思っていた。
・・・・・まずこいつらに敵うやつっていえば、そうそういないと思うがな・・・。
幻闘術扱えるやつとか、格闘技が使えるチャオとか。
まぁ、いるとは思うがどうしてもこの人達に敵いそうなチャオがいるとは思えないんだがなぁ・・・。