【予告2】ガーデン・ヒーロー
人生がどんなにクソな終わり方をしても
私の愛は絶対に死なない
一年前、ステーションスクエアは一瞬のうちに氷の町と化した。
町を殺した化け物の正体は未だに不明だ。
だけど事実として町は凍り、そこに暮らしていた人々もその凍結現象に巻き込まれた。
あの日凍ってしまった人は千万人にのぼる。
心の底ではみんな、凍った人は死んでいると思っている。
だけど凍結現象は、なにが原因なのか全く掴めない、常識外の異常現象だった。
それなら同じように常識外のなにかで氷が解けて、凍った人々が助かるんじゃないか。
そんな奇跡をみんながみんな口にする。
甘ったるい。
だからこそすがりつくしかない流行病だった。
ステーションスクエアから吹いてくる風は冷たい。
死んだ町が僕たちに手招きしている。
今年は海水浴客が少なかったとニュースが言っていた。
秋になれば、いよいよ冷たい風は深刻さを増す。
風によって凍える日々がもうじき始まる。
「僕もいつかここで凍ろうと思ってるんだ」
「あれ、なんの鳥なの?」
「ハト。平和の象徴」
「あ、ホームランだ」
「氷を壊すんだ。これは解放だよ」
さあ あの続きから始めよう
ガーデン・ヒーロー
2018年12月23日 公開