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ウォーターとアイリスは、森の中を歩いていました。
アイリス「そういえば…西の森って何?」
さっきの会話の中で、『西の森』という単語が出ていたのを思い出し、ウォーターに質問してみました。
ウォーター「うーん…そうだなぁ……じゃあとりあえずこの森にいるチャオについて説明するよ」
そう言って、ウォーターは説明を始めました。

ウォーター「この森には、チャオの集落が4つ存在するんだ」
アイリス「4つ?」
ウォーター「そう。それで、それぞれの森を東西南北で呼んでいるんだ。ちなみに俺たちがいるのは『東の森』」
アイリス「へぇー…」
アイリスは頷きました。
ウォーター「で、東西、南北はそれぞれ対立し合っていて、東北、西南は友好関係にあるんだ。まぁ仲悪いだけで特になんもないんだけどね」
ウォーターは苦笑しています。
アイリス「そうなんだぁ…」
二人はそこで会話を切り、前に進みました。

ウォーター(…なんか話題無いんだろうか…あ)
ウォーターは前から気になっていた事を聞くことにしました。
ウォーター「なぁ、チャオガーデンってどんなところ?」
聞かれたアイリスは、少し考えるようにしてから答えました。
アイリス「んーとねぇ、明るくて綺麗な所だよ。池もあるし、洞窟の向こうに変なものがあったりもしたっけ」
ウォーター「変なものって…もしかしてカボチャ?」
以前フレイヤにそんな話を聞いていたので、もしかしたらと思い、尋ねました。
アイリス「あれ?知ってたの??…あ、そっかぁ…フレイヤが隠してたんだっけ」
あはは、と笑うアイリスを見ていたウォーターの上に、一匹のチャオが落ちてきました。
「きゃああああ!」
ウォーター「うぉぁっ!」
アイリス「ひぁっ!…だ、大丈夫??」
「…いたたた……あっ!ご、ごめんなさい!」
落ちてきたチャオは、ウォーターの上から急いで降りました。
アイラ「私、アイラって言います。えっと、すみませんでした…」
ぺこりと頭を下げるアイラを見て、ウォーターは急いで立ち上がると言いました。
ウォーター「いや、大丈夫だよ。気にしないで」
アイラ「本当ですか?」
心配そうに見上げるアイラを見て、アイリスと似てるかも…等と思いつつ、余計な心配をかけない様に優しく言いました。
ウォーター「うん、本当。だから心配しなくてもいいよ」
アイラ「はい、分かりました。どうもありがとうございます」
ウォーターとアイラの会話が一区切りついたところで、アイリスが口を開きました。
アイリス「ねぇ、何で上から落ちてきたの?」
アイラ「えぇっと、実はこの種類の木の上に美味しい果実が生るんです。だから取ろうと思ったんですけど…」
アイラは近くの太い木の幹を指し、上を見上げました。
よく見ると、上のほうに小さくて真っ赤な実が生っています。
あの高さからいきなり落ちてしまえば、驚いて即座に飛ぶことは出来なさそうです。
なるほどー、という風にアイリスは頷き、言いました。
アイリス「あんな高さの実を一人で取るなんて大変じゃない?」
アイラ「まぁそうなんですけど、暇だったのが私だけだったので…それに、いつもならこんな風に落ちたりしませんし」
アイラは呆れた様に笑いました。
ウォーター「そうなのか……俺たちも手伝わないか?」
リリカを探さなければいけないのは最もでしたが、ここで放って行くのも後味が悪いような気がしたのです。
それに、一箇所に留まっていてもリリカが自分達の所に来る可能性もあります。
アイリスも提案され、同じような事を考えて言いました。
アイリス「そうだね、3人でやった方がいっぱい取れると思うし」
ウォーターとアイリスの言葉を聞いて、アイラがおずおずと問いました。
アイラ「あの…いいんですか?」
二人は、ことさら明るく言いました。
アイリス「もっちろん」
ウォーター「ああ、一緒にやろう」
二人の言葉を聞き、アイラは嬉しそうな顔をしました。
アイラ「ありがとうございます!それじゃあ、お願いします」
3人は木の上に飛んでいきました。

このページについて
掲載号
週刊チャオ第271号
ページ番号
16 / 33
この作品について
タイトル
ガーデンのヒミツ
作者
神崎揚羽(紅黒梓)
初回掲載
週刊チャオ第266号
最終掲載
週刊チャオ第312号
連載期間
約10ヵ月19日